【完結】雪溶けの契約結婚

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調月さんはコーヒーを飲み干すとそう言った。

「が、が、外商…!?」

唖然とする私。

外商など、ドラマだけの話だと思っていた。
本当にあるんだ…

「あぁ、来たようです。
あなたは、そのソファに座っててください。」

調月さんは言う。

外商は2人。
どちらもビシッとスーツをきて、髪を7:3に分けている。

1人がアタッシュケースと、もう1人が30着程度の洋服をかけたラックを運んできた。

「洋服から見ますか。」

調月さんが言う。

「え、えぇ…」

「清楚な服を揃えさせたんですけど。
どうですか?」

「えーと…どれも素敵で…」

私は言う。
確かにそのラックの洋服は全て私好みだった。
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