【完結】雪溶けの契約結婚

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そんな気持ちで会社に到着し、午前中業務を済ますと、彰にLINEを送っておいた。

昼休みにいつものカフェで待ってる、と。

そして、昼休み、私は会社から10分ほどのカフェに向かった。

「わりぃ、待たせた?」

「ううん、大丈夫。」

「大丈夫か?お前?
ちょっとやつれてない?」

彰は心配そうに美しい眉をひそめてたずねた。

「平気よ。
ありがとう。」

「…話って何?」

「別れたいの。」

私は毅然としてそう言った。

「はぁ!?
何言って…!?
だって、俺たち結婚しようって…!」

「ごめんなさい。」

「何でだよ!
他に好きな奴が出来たのか!?」

昼休みいっぱいを彼の説得にあてて、私は彼と正式に別れた。

「ごめんね…」
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