【完結】雪溶けの契約結婚

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「うーーーーーん…?」

調月さんは書類と睨めっこを始めてもう15分以上経っている。

「調…じゃなくて、社長!
1枚の書類にそんなに時間をかけていたら夜になっても終わりませんよ?」

「あなたと2人で会社に泊まるというのも…」

「ありえません!」

変態発言をピシャリと遮断する。

「どんな書類なんですか…?」

私は本当に仕方なく尋ねた。

「えぇ、なんでも口紅の新色を開発したので、承認して欲しいらしいんですよ。
サンプルが4つも付いていて…
だけど、僕は口紅なんて赤とピンクしか知りませんし…」

「ちょっと見せてください。」

私は社長からサンプルと書類を取り上げる。
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