【完結】雪溶けの契約結婚

59

『芽依香に命までは懸けられないよ…
分かってくれ…
芽依香…

幸せに…』

「待ってよ、彰!
私…」

『ごめん…』

そして、電話は切れた…

同時に、電話は着信拒否されLINEはブロックされた…

私は彰のマンションの入り口にふらふらと出て行った。

そこには、調月さんがリムジンに寄りかかり、にこやかに私を待っていた。

「ずいぶん遠いクリーニング店でしたね。ニコッ」

「私は心の底からあなたを憎むわ…」

「構いませんよ。ニコッ
憎んで、憎んで、僕の事しか考えられなくなれば良い…」

調月さんは言った。

「あなたには良心が無いの?
心が痛まないの?」

「はい、全然?
< 59 / 104 >

この作品をシェア

pagetop