【完結】雪溶けの契約結婚

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私はそして、20着以上試着した。

調月さんが中々首を縦に振らないからだ。

「もう、このドレスで良いじゃ無いの…」

私は真っ白の袖の膨らんだドレスを見せて言う。
だいぶ、飽きてきたし疲れてきた。

「いいえ、あなたの可憐な美しさが表現されていません。」

「日が暮れるまでには決まるのよね?」

私は大袈裟に目を回しながら言った。

「ドレス次第ですね。ニコッ」

そして、それから1時間後、あるドレスで奇跡的に調月さんが納得した。

それは、左が繊細な花のレース、右がチュールの横プリーツのプリンセスラインの可愛いらしいものだった。
正直私も好きなデザインだ。
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