【完結】雪溶けの契約結婚

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「本気ですか…?
いえ、正気ですか…?」

調月さんは眉間に皺を寄せ、そう私に言った。

「あのね、その顔やめてよね。
私達が今からするのは、究極の貧乏デートなのよ?
それぐらい当たり前じゃないの。」

私。

「だけど、所持金が千円って…
GUCCIの靴下も買えませんよ…?」

超不安そうな顔で調月さんが言う。
調月さんのサイフはリムジンに置いてこさせた。

「当たり前じゃないの!
GUCCIなんて買える訳無いでしょ!
貧乏デートなんだから!
その金持ち脳捨ててください!

さぁ、お腹すいたからマック行きましょ!」

「まさか、この寒い中歩いて行くんですか…?

タクシーを…」
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