【完結】雪溶けの契約結婚

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「ふふぅ~ん、早い物勝ちよっ!」

そして、パン屑が無くなると、私達はボートに乗った。
公園は新緑が眩しく、春の訪れを感じる。

調月さんにオールを渡し、私は肺いっぱいに外の空気を吸い込んだ。

「楽しそうですね…」

「タワマンなんかより、ずっと素敵だと思わない?」

「そうかもしれません…
僕は幼い頃から、英才教育を受けていたので、究極の貧乏デートは衝撃でした…笑

でも、あなたにはやはり大空が似合うのかもしれない…」

「それって…私を解放してくれるってこと?」

「分かりません…
大空に返してあげたい気持ちと籠に閉じ込めておきたい気持ちが半々ですね。」
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