【完結】雪溶けの契約結婚

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調月さんはそう言って切なそうに笑った。

「…ボートを借りてお金も無くなったし、コーヒー飲んだら帰りましょうか。」

「カフェに入るお金なんて残って無いでしょう?」

調月さん。

「だから、金持ち脳捨てなさいってば。
缶コーヒーがあるでしょうが!」

「缶コーヒー!?
あれ、コーヒー豆入ってませんよ!絶対!
泥か、砂でも混じってるんじゃ…」

「いいから!
私は甘いのね!

早く買ってきて!」

という訳で、芝生の上で缶コーヒーを飲んだ。

そして、貧乏デートで少しだけ元気を取り戻した私はタワマンに帰って行った。
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