【完結】雪溶けの契約結婚

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次の日、朝スウェット姿で朝食に降りて行く。

「今日はエンゲージリングを買いに行きますから、指輪に負けないような華やかな格好をしてきて下さい。」

「はいはい。」

私はミルクティーをすすりながら、適当に返事をする。

はぁ…
また、高級生活に出戻りかぁ…

普通だったら喜ぶ所だが、私の心境は首輪とリードで繋がれた猫のようなものだった。

私は朝食を食べ終わり、自室に戻ると総レースのワンピースを選んだ。
これなら文句あるまい。

ふと、値札を見ると、15万と記載されていた。

どこのデザイナーの服なのよっ!?

私は心の中で毒づいてワンピースを着ると、髪をお団子にまとめあげた。
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