【完結】雪溶けの契約結婚

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パールとダイヤモンドが入ったイヤリングを付け、これで完璧なはずだ。

私はリビングに降りた。

「完璧に美しい。」

「はぁ…」

私はその言葉にため息をつく。

「最高の褒め言葉を言っているのに、ため息なんですか?」

「こんな所に閉じ込められたら、ため息しか出ないわよ。」

私は嫌味を言う。

「じゃ、行きましょうか。ニコッ」

調月さんは私の言葉を軽くスルーすると、そう言った。

都内の老舗宝石店に到着すると、オーナーと店員が外に並んでお出迎えする。

やだやだ、どっかの国のロイヤルウェディングみたいだわ…
最悪…

私はそんな事を思いながら、調月さんに続きリムジンから降りた。
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