【完結】雪溶けの契約結婚

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そうして、都内の不動産屋のまたまたVIPルームに入り、テレビの大画面で物件を見て行く。

どれもこれも、田園調布だの、南青山だのと、超豪華な館が映し出されている。

「どうしたんです?
画面を睨んで?
悪魔でも居ましたか?」

調月さんは言う。

悪魔はあなたでしょう!
と、思いながらも私は答える。

「え、えぇ…
私と調月さん2人だけの新居にこんな大きな館必要あるのかしら…?
と、思って…」

「それはもちろん、必要ですよ。
使用人の部屋に執事の部屋、ゲストルームだっていくつか必要ですし…」

調月さんは答える。

「えぇ!えぇ!
そうでございましょう!?
調月社長ともなれば、それはもう!」
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