【完結】雪溶けの契約結婚

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私は嬉々としてその赤い屋根の一軒家に入った。

今時珍しく平家で、狭めなリビングとキッチンも気に入った。
お掃除が楽ね。

そして、寝室が2つと小さな和室がある。

ベッド類も既に入っていて、今日からでも住めそうだ。

「どうですか、奥様?
お気に召してくださいましたか?」

「えぇ、とても!
素晴らしいわ!

でも、買い物に行かなくちゃ!
冷蔵庫の中身空っぽだもの。」

私は張り切る。

「では、買い物に向かいますか。」

そう言って、調月さんは車庫から車を出した。

それはパジェロの乗用車だった。

「え!?
パジェロ!?
可愛い!」

私は思いもよらぬ車に興奮する。
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