【完結】雪溶けの契約結婚

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「ワインセラーも無いんですよね、この家…」

「発泡酒買ってますよ。
乾杯しましょ。」

「発泡酒って貧乏人が飲む飲み物…」

「乾杯、黙ってするわよねぇ?ニコッ」

「「乾杯!」」

そうして、ささやかに幸せな一日が終わった。

こうして、私にも合わせてくれるならば…
もしかしたら…
調月さんと、いつかは夫婦として支え合っていけるかもしれない…

調月さんには言わなかったけれど、心の中でそう思った。

その時はまだ、この契約結婚の恐ろしさを私は知らなかった…
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