ReTake2222回目の世界の安田雄太という世界線
第10章 社会人 時間を無くした日
僕がバカ……大バカをしたせいで、台無しにしてしまった新婚旅行。
こう子さんは許してくれて、その後も優しくしてくれたけれど、本当に意識を変えないと絶対失くしたくないものを失くす結果になってしまう。それには気が付いている。
詳細ではないけれど、すごくざっくりと今回の僕の大バカを真理雄に伝えると、一言返信が来た。
「響子コーチを信じろ」
しばらくの間この言葉は僕のお守りだ。おかしくなりかけた時にはこの呪文を唱えよう。中学生の時にも「今だけの彼氏」って呪文を教えてもらったもんなぁ。
そうだよ。僕が今だけの夫にならないために、僕は全力で自分を改善しなきゃ。
そして僕の力不足で改善できない時には、こう子さんを信じてコーチングしてもらおう。そう心地に誓った。
こう子さんはアルバイトでも探そうか、それともせっかく留学してスポーツリハビリを学んできたのだから、アスリートが通うようなジムに見学に行こうか悩んでいた。
高給取りではないけれど、家賃がかからないので僕の給料でも貧乏生活は続けられる。
こう子さんのいざという時には、お父さんやお母さんがいるから、生活に心配はしていない。甘ったれているなぁ。
ある夜、夕飯を食べている時に、こう子さんが食後折り入って相談したい事があると言った。こう子さんはデザートのシュークリームを食べた後、座りなおして両手を机の上に置いた。
「あのね、プロ野球の球団と契約をして、選手が怪我をした時に、リハビリメニューを組んだり、実際にリハビリを提供する団体があるのね。昔の知り合いから連絡があって、籍を置いてみないかって言われたの。あ、その知り合いは女性ね。で、その団体の部長さんと会ってみようかな?って思っているんだけど」
「うん、昔の知り合いは女性って、ごめんね、気を使わせて。こう子さんのキャリアにつながりそうな話だね。でも折り入った相談って話でもないような気がするけれど」
「え~とね、実はその部長さんというのが、古岡さん、覚えてる?」
「もちろん。主任コーチの」
「その古岡さんの学生時代の先輩なんだって。どうやら古岡さんから私の話を聞いて、それで連絡が回ってきたようなんだけど。でね、その部長さんが久しぶりに古岡さんとも話がしたいってなって、スイミングクラブで話をしないか?って事になってるの」
「うん」
「で、ですよ。スイミングクラブには、まだモモさんがね、いるの。だから悠太が嫌だったら別日別場所にしてもらう。変な意味じゃなくってね、古岡さんも元気かな?とか、モモさんも元気かな?って思うし、モモさんにはね、悠太と結婚した事を自分の口で伝えたいのよね」
「僕も変な意味じゃなくって、どうしてモモさんに僕と結婚した事を伝えたいの?」
「え~とね、勇気出すね。モモさんってね、本当に良い人だったのよね。私がバカでダメにしちゃったんだけど。付き合っている時にね、悠太君という高校生の猛アタックを受けていたので、色々アドバイスをもらってたの。三橋は突き放せの一点張りだったんだけど、モモさんはそうではなくって、その高校生の事を第一に考えて、ちゃんと向き合わないとダメだって言ってくれていたのよ。だからね、成就したよって伝えたいってとこかしら」
「成就したのは僕の想いでしょ?響子コーチじゃなくって」
「それがね、モモさんと付き合っている時に何回か言われたの。多分響ちゃんも、あ、私の事そう呼んでいたんだけど、私も悠太君の事が気になっているのではないか?そうでなければ悩まないはずだよって。私がコーチで悠太君が高校生の生徒だから、自分の気持ちを無しに強制しているだけじゃないのかなって。だからね、私の想いの成就でもあるの」
「まずキスしてください」
僕はこう子さんを信じて?お願いをした。こう子さんは席を立って、僕の隣に座って、柔らかい、温かいキスを5分してくれた。
「僕が今、心にある事を正直に言うね。百瀬コーチを超える事はできないかもなって気持ち。完敗な気持ち。こう子さんは百瀬コーチといた方が……」こう子さんが遮った。
「そんなんじゃないって。私は悠太と一緒にいるの、とっても幸せよ」
「ごめん、そうじゃなくってちゃんと言わせて。百瀬コーチといた方が、こう子さんは幸せになったかもしれないって気持ちがある。でも、そうじゃない今があるから、百瀬コーチとは違う形でこう子さんを幸せにできるように努力しようって思った。恥ずかしいけれど、こう子さんのその声で、エッチしている時にモモさんって言ったのかなとか、百瀬コーチが響ちゃんって言ったのかなっていう、バカな嫉妬心。三橋さんの下でどんなふうに腰を振っていたのかなっていう、もっとバカな嫉妬心。古岡コーチとは何もなかったんだろうなぁという最高にバカな猜疑心。あとどうして百瀬コーチと別れたのかなっていう、変な好奇心。ぐるっと回って、こう子さんのキャリアを生かせるのだから、話は聞いてみるべきだという気持ち。そこに百瀬コーチがいるとしても、問題ないという気持ち。三橋さんなら多分嫌だって思った気持ち。こんな感じ。それと、こんなバカをこう子さんに話した事で、なんか楽になった気持ちかな」
「うん、ありがとう。このありがとうは、信じて話してくれた事に対してね。モモさんとはね、恥ずかしいんだけどセックスが不満だった。義足だからとかじゃなくって、彼は淡白でね、精神的な付き合いを大事にする人だったの。だから付き合ってても月1回か、2回って人だったから、私が浮気したの。それがバレたけれどまったく責めてこなくって。自分がひどく汚い女に思えてきて、それで別れたの。古岡さんとは何もないよ。妻子持ちに手を出したことは無い。自慢げに言う事でもないけれど。答えられたかしら?」
「浮気相手って……」
「ごめん。三橋とライフセーバーの押尾君っていう人」
「ああ、沖縄に行った……」
「そうです。ごめんなさい」
「いや僕に謝らないでよ……もうひとついい?」
「うんどうぞ」
「三橋さんとは、身体の相性が良かったの?」
「それねぇ。えっと、恥ずかしいなぁ。悠太とセックスをしていると、気が付いているんだろうなって思っているんだけれど、私は気が強くってこういう性格なんですが。え~と、恥ずかしいなぁ。こういう性格だから、私に言い寄ってくる男性はヤサオというか気弱な人が多いのね。でも私、力で押さえつけられるような感じも、その、嫌いじゃないというか……」
「むしろ好きですよね?中学生の僕に言葉でもハッキリ言ってるよ?自分より強い男が好きだって」
「ははは、失礼しました。まあ、そうなのかな。三橋は根っからそうだったから、ずっと一緒にいるのは嫌だったんだけど、ホント、ホント時々そうなると言いますか、ヤルだけならと言いますか、まあ都合が良かったというか……。だからそう意味では相性が良かったとも言えるし、毎日したいとは思わなかったので相性が悪かったとも言える。これは逃げかな……。それに対してですね、悠太のすごい所はね、1回のセックスの中で私の気持ちを読み切っているみたいに、私を力で押さえつけたり、私が悠太を力で押さえつけたり、ラブラブにしてみたり、変幻自在の変化球を投げてくるでしょ?ちょっとそれがたまらないというか、なんといいますか……」
「こう子さん。僕は今、最高に幸せであるのと同時に、わかりやすいおべんちゃらで持ち上げれて、こんなに有頂天になる大馬鹿野郎だと感じています」
「本当の事だよ?こんなに変幻自在な変化球、見たことが無いから、私も夢中になっちゃうよ」
こう子さんがキスをしてくれて、僕らはそのままシャワーに流れ込んだ。シャワーを出しっぱなしにして、また長時間のキスをしていた。
「押尾さんって……エッチはうまかった?」僕はキスをしたままで聞いた。
「あ~。まだ納得してもらえていませんかぁ。え〜と、彼はイケメンの遊び人だったので、上手いとはなんぞや?って話にもなるんですが、まあ、上手いのでないでしょうか?技術的にも?確実に70点取ってくると言いますか、そもそも女扱いが上手い人だよね。喋りとか、誘い方とか、ね」
「まずキスしてください」
こう子さんは話しを止めてキスをしてくれた。
「もっとベロをください」
こう子さんはもう一度キスをして、さっきよりも丁寧に、優しく僕の口の中で、こう子さんの舌を踊らせてくれた。
キスをしてもらい、勇気をもらった僕はこう子さんに言った。「すごく勇気がいるので、もうこれは、ずっと先送りしてきている問題があるのですが……」
「なんでしょう?」
「僕はこう子さんしか知りませんし、まだまだエッチした回数も少ないですし、練習と言えば、こう子さんとお付き合い結婚する前に、自分の腕にキスをしたり、恥ずかしながら、こう、腕を曲げて、この、ひじの内側にできる割れ目を舐めまわしていたくらいです」僕は肘を曲げて実際にやって見せた。
「わははははは」こう子さんは手を叩いて大爆笑した。
「笑いたいだけ笑ってください。僕との、エッチは、大丈夫なんでしょうか?」
「大丈夫とは?」
「満足いただけているのでしょうか?」
「満足しているよ~。私、悠太、大好きだもん」
「いや、そういうのじゃなくてですね、その、さっきも出てきた技術点とかですね、僕が押尾さんに遠く及ばないのは理解するのですが、自分のタイムを知らないとですね、努力の方向が見えないというかですね」
「待って待って悠太。例えばですね、私よりセックスの上手い女性がいます。悠太がその人としたら、悠太は私よりも気持ち良くて、私とのセックスをカスだと思うのでしょうか?」
「まずしません。こう子さん以外とは」
「あ~、もう。こういう時は寄って来いよ。じゃあ機械でどうだ?電気仕掛けのすっごい機械があります。もう電気だから私では絶対できない凄い動きです。悠太なんかじゃ、なんなら10秒でイかされる機械です。さて、悠太はこのマシーンと私と、どっちとしますか?」
「こう子さんに決まってるよ。大好きだからしたいんだよ。もちろんこう子さんとのエッチは身体も気持ち良いよ?でも気持ち良いは好きと比例するんじゃないの?」
「はい、それ。私は悠太が大好きだから、比例係数により悠太と押尾君では勝負になりません」
「でもだよ?初めは好きだから付き合う訳でさぁ、だったらそこに技術点が加わればさぁ、すごいじゃん」
「だからぁ……押尾君とはモモさんとのセックスが足りなかったから浮気しただけなので、あ~も~大好き~とかはありません」そう言ってこう子さんは、僕にブチュ~という、いつもの柔らかいのとは違うキスをしてくれた。そして話をつづけた。
「三橋は18の時に、出会って1か月くらいで口説かれて、その後お付き合いして、別れるまでは2年ちょいです。高校時代の初めての彼氏も出会って3か月後に告白されて2年付き合いました。モモさんは出会って2年弱で付き合い始めて、その後2年ちょいで別れました。他のも大体出会って数か月で付き合って、2年持たずに別れています。それ以外は数回の、あの、ね?浮気相手です。つまりですね、出会って10年で付き合うの飛ばして結婚決めた時点で、誰より長いお付き合いなんです。それだけでもう時間係数による想い入れが違います」
「でもまだ僕とはエッチし始めてから1年ちょいしか経っていないし」
「さっき気持ちの方が大事だって、おっしゃってましたよねぇ?それにですよ?例えば一番多かった人で平均週2回だとして、1年間53週として、2年で106週だから212回ですねぇ。あなたとは計算が面倒なので1年だったとしても、私の生理2日目以外、ほぼ毎日ですよねぇ?私の場合概ね32日周期なので、365日だとして12回生理2日目があった計算なので、353回ですねぇ。しかも1年間のうちお休みの日の1日、つまり53日は朝から晩までしてますよねぇ?今までのセックスはせいぜい1時間くらいなので、8倍の換算になりますよねぇ?53日を8倍すると400オーバーですねぇ?毎晩のセックスだって1時間で終わる事なんてありますか?1度でも2時間切った事がありますか?無いですよねぇ?一番安く見積もって212対353ですし、時間換算すれば212対1000になりますよ?わかりますか?」
「なんか騙されている気がします。口車に乗せられている気がします。回数だけじゃなくって、その、あれですぅ。長さとか太さとか曲がりとかぁ……」
「あ?!もしかして、気が付いてなさそうなので申し添えますけど、サイズ的にあなたはブッチギリのサイズですよ?あなた童貞上がりだから知らないでしょうけれど、あ、そういえば私とコンドーム使ってセックスした事一度もないですねぇ。一度ごく普通のコンドームを買ってみてください。多分装着できないのでぇ。あなたたぶん大きい人専用のじゃないとつけられませんから!正直私、初めてあなたのを口でしたときに、これはちょっと無理かもって思いましたから!俺のでかさに夢中になってんだぜ!この女!ぐらいの自信を持っててくださいよ!」
「じゃあ僕だけ特別をくださいよ!」
「けっこういろいろすでに特別だらけなんですけどね!何かお望みはありますか!?」
「……」
「なんですか?ネタ切れですか?」
「……おしっこを……飲ませてください……」
「はぁ?!言うに事欠いて、何を言い出してくれているんですか?!」
「ずっと一緒にいたいんです!」
「それとそのド変体行為のどこにつながりが?!」
「こう子さんのおしっこを飲んで、僕の細胞に吸収されれば、それは僕がこう子さんでできているって事になって、そうしたら僕がこう子さんになるので、ずっと一緒にいられるじゃないですか!」
「はぁぁ?!……シャワー代がもったいないので、一度休廷します!」
「……はい」
僕らは一度争いをやめて、身体を洗いっこしてシャワーを出て、身体を拭きっこしてベッドの上で向かい合って座っている。
「あのね悠太。最後のはちょっと、病的過ぎるというかなんというか……。今までそれは言われた事ないし、周りで聞いた事もない。だから難しいよ……」
「なんでですか?ケチだなぁ」
「ケチとかそういうのじゃなくってね、さすがに……ちょっと……」
「エッチしている時に、僕がこう子さんの唾液をくださいってお願いする時は、飲ませてくれるじゃないですか?!」
「いやいやいや……唾液はほら……キスすれば多少は交換されものだけど……」
「こう子さんだって、医療関係者なんだから、尿は無菌なの知ってますよね?唾液の方が菌は多い!」
「いやいやいや……胸張られても……」
僕はベッド上で土下座した。
「どうか、どうか僕に僕だけ特別をください。こう子さんのおしっこを飲ませてください」
「いやいやいや……いやいやいやいや……」
「お願いします。どうかお願いします」
「例えばだよ?じゃあ良いですよってなってだよ?飲んだけど、うわぁ~まずい~ってなってだよ?なんか響子コーチのおしっこまずいから気持ち冷めちゃったよ~なんてなってからじゃ遅いんですよ!取り返しがつかないんですよ!」
「そうはならない自信しかないです」
「いやいやいや……胸張られても……」
この後しばらく押し問答が続き、最終的に一度だけという条件付きで許可が出た。
もう一度バスルームに戻り、こう子さんがバスタブの縁に座って股を開いたままで言った。
「本当にやるの?……」僕はこう子さんの股に口を付けて、いつでも飲める状態を整えていた。
――チョロ――ほんのちょっとだけ出た。「ひゃぁ~」そう言って顔を両手で隠しながら、こう子さんはチョロッチョロッとちょっとずつ出し始めて、その後でジャーッと出してくれた。僕はそれを一滴もこぼさずに全部飲んだ。はじめて飲んだおしっこは、飲み物としては生温かく美味しくはないかもしれないけれど、その生温かさも含めて僕はすっごい幸せを感じた。
「大丈夫?気持ち悪くない?」
「とってもおいしかったです。すっごい幸せです。どうか今後、毎日のように、毎回のようにお願いしたいです」
「おしっこ飲むなんて……普通じゃないよぉ~」こう子さんはまた自分の顔を両手で隠して言った。
「ひとつ今の言葉に修正を加えさせてもらえるならば、僕はおしっこが飲みたいのではなく、こう子さんのおしっこが飲みたいと希望しています。こう子さんのおしっこ限定の話をしています!」
「……だから胸を張られても……」
僕は幸福感絶頂の中で、1001回目のエッチのお願いをした。今日のこう子さんは、僕のお願いで調子を狂わせてしまったようで、やたらと受け身から始まった。
柔らかくて優しくて暖かいキスはいつも通りだったけれど、力づくでされたい様子でも、力づくでしたい様子でもなく、こう子さんが望んでいる事を見つけるのが困難だった。
終始僕が上になって、僕はできる限り優しく、だけどこう子さんのおしっこを飲ませてもらえた喜びで、ドーパミンは出まくっている状態だった。
受け身気味のままのこう子さんが、上に乗っている僕の胸に両手を当てた。離れろと言われた気がしたからゆっくりと離れた。こう子さんは身体の向きを変えようとしている動きを見せたので、僕は一度男根を抜いた。こう子さんは一度うつぶせになると、ひざを立てて四つん這いの体勢になった。顔だけ振り向くように僕を見て言った。「バックで一番奥で出して」僕はさらにドーパミンまみれになって、夢中になっていたし、嬉しかったし、大丈夫なんだろうと思って指示に従った。最っ高だ。
だって、今までもどんなに盛り上がっても、バックは嫌がっていたのに、自分からバックになって、しかも奥に出してなんて。脳出血を起こしそうだ。
僕はパンパン音がするように後ろから突いてみたり、上半身をこう子さんの背中につけて振り向いたこう子さんにキスしてみたり、こう子さんに腕を使わせず、お尻だけを高く上げるような姿勢になってもらい、こう子さんの蜜壺の中を肉棒でかき回しまくった。「グッポォゥ、グッポォゥ」というものすごく淫靡な音が部屋に響いた。もっと楽しみたかったけれど、中学生の頃のサウナ室の画像や、自転車のツーリングの時も、ずっとこっそり見るだけだった響子コーチのお尻を、自分のモノのように独占して快楽をむさぼっている現実に、僕は限界を迎えた。バックは初体験だったけれど、僕が射精する時には、こう子さんの子宮が迎えに来るように僕の肉棒に届くところに来てくれて、僕はこう子さんの子宮にたくさんの量の精子を注ぎ込んだ。
終わった後で、まだ裸で二人とも前に倒れる形でうつぶせになっていた。そのままで顔だけ横に向けて見つめ合っている時に僕は言った。「中で出して大丈夫な日って思わなかった。前の生理の日の記憶がズレっちゃって2週間目って思ってた……それに、それにバックを、バックをついに……」
こう子さんは裸のままモゾモゾ動いて僕を仰向けにさせて、女性上位のように僕の上に登ってきて言った。「生理のタイミングは正解」
「え?大丈夫?薬とか飲んだの?」僕はちょっと慌ててしまった。
こう子さんは僕の額に額を乗せて言った。「私ができる悠太だけ特別は、たくさん渡しているつもりなんだけど、悠太がわかりやすい事が良いって思って、バックは勇気出したよ。お尻の形が悪くって、悠太のおちんちんが柔らかくならなくて良かった」
「こう子さん、それ本気で言っているの?こんなにエッチで、色っぽくって、艶っぽくって、やらしくって、そんなお尻の形が悪いわけがない」
「ははは、形が悪くても、悠太がエッチだと思ってくれるなら、これからも悠太がしたいタイミングでバックでしてね。私も初心者だから動きとかよくわからないヘタクソだけど」
「他の体位ならベテランみたいな発言はいかがですかね。でもまあ、バックは僕だけのものとして有難く。僕だけ特別が嬉しい」
「バックもだけど……悠太の子供が欲しい。子供を作ろう」
「え?!」僕は特別なうれしさと不安に近い気持ちを持った。
こう子さんが言った。「微妙な顔だねぇ」
「ちょっと、えっと……」
「私との子供は作りたくないって?」
「違う違う。こう子さんのキャリアが、えっと、さっき言ってたプロ野球選手の怪我明けのリハビリの仕事とかメディカルベースのあの……」
こう子さんは僕の胸の上に両肘をついて、あごを乗せて言った。「ありがとうね。悠太はいつでも私だね。私の事が大好きな悠太。私の過去が悠太を不安にさせちゃう。でもこれは変えられない。今更ね。あまりにもちょっと恥ずかしすぎるさっきの……おしっこのアレも……悠太が望むなら応えていきたいんだけどね、悠太の不安を解消するためには、絶対的に今までの人とはごまかしがきかないレベルでの違いが必要だって思ったの。だってそのうち、他の人にもおしっこを飲ませていたんだろ!とか言いかねないし。私がどれだけ悠太は特別だって言っても、フォースの暗黒面に落ちている時の悠太には届かないからさ。いくらなんでも私に隠し子がいるとは思わないでしょ?だとしたら、二人の間に子供がいれば、それでハッピーだって思ったの。私たちの親もね。孫ができてハッピー。だから子供作ろう。私は私のキャリアより、悠太との人生を選びたい。悠太は嫌?」
「嬉しいけど、ちゃんと、もっとちゃんと考えてから」僕がオロオロしているのを見て、こう子さんが話を遮った。
「ふふふ。悠太と結婚して、家族になった。もっともっと悠太とつながりたいって思ったの。ほら、前に悠太がミニ響子が欲しいって言ってたでしょ?」
「うん、胸ポケに入るやつね」
「ははは、覚えてるんだね。本当の子供は胸ポケには入らないし、可愛いだけじゃなくって大変な事の方が多いとは思うけれど。私もミニ悠太が欲しいって思っちゃったのよ。ダメ?」
「ダメな訳無いじゃん。確かに、正直、長いこと待って手に入れたこう子さんとの時間だから、今しばらく誰にも邪魔されたくない、それがミニ響子だったとしても、邪魔されたくないって気持ちはあるけれど、それと同時に手にするものが、ちょっと大きすぎて言葉にできない」
僕はこう子さんをギュッ~~~と抱きしめた。
「でもこう子さん。僕がこう子さんの過去というフォースの暗黒面に落ちちゃうせいで、こう子さんがしたい事が出来ないのは、やっぱりそれは僕としても不本意だよ。もっとちゃんと考えてから、勢いじゃなくってさ」
「理由はどうあれ私が選んだ事よ?それに嫌なこと思い出させるかもだけど、私が悠太と結婚を決めたあの日だって、勢いといえば勢いだよ?そう思わない?」
「……ははは。確かに」僕たちは二人でくすくす笑い出して、最後は大笑いしていた。僕はもっと急いで大人になろう。僕のお父さんや、こう子さんのお父さんのように。こう子さんの過去にいつまでもグズグズ言っていないで、こう子さんが家族として選んでくれたんだから、僕はもっと大人になりたい。真理雄だって出来たんだ。僕も三橋さんや百瀬コーチごと、こう子さんを包み込める男になりたい。
それからしばらくは毎晩こう子さんの中でイかせてもらった。次の生理中もこう子さんがひどく具合の悪かった2日目以外は毎日奥で。さすがに毎晩4時間は体力的にキツイと言われてしまったので、毎晩2時間の制限をかけた。毎回一番奥でイかせてもらっていたけれど。
いつものように、いつもの今日がスタートした。僕は病院へ行くし、こう子さんは僕たちの生活を支えてくれる。
起きた時に、こう子さんの匂いがする毎日が凄い。
起きた時に、こう子さんの体温を感じられる毎日が凄い。
起きた時に、こう子さんの呼吸が聞こえる毎日が凄い。
僕は一刻も早く家に戻ってくる必要がある。毎朝思うんだ。僕は10年間毎日毎日願った。
手を伸ばせば、響子コーチがそこにいる、こんな嘘のような本当の話を。
僕はなんて幸せなんだろう。
「……ん」こう子さんがゆっくりと目を開けた。「どうしたの悠太?まだ早いよ?むしろ遅いよ?」声にならないくらい、かれた小さな声で言った。
「起こしちゃったらゴメン。隣にこう子さんが寝ている幸せをかみしめ過ぎていたところだった」こう子さんは一度閉じた目をうっすらあけて、僕に抱きついてきた。温かい。生きている。こう子さんが生きている。僕は本当にうれしく感じる。
「私の事が大好きな、私の大好きな悠太」こう子さんは僕を抱きしめたままで声に出した。
「幸せだよ。こう子さんに想いが届いて。本当に幸せだよ」僕はこう子さんのおなかのあたりに顔を付けて抱きしめた。
そのまま顔を下にずらしていき、こう子さんのパジャマ越しの下腹部に顔をうずめた。こう子さんは両手で僕の頭をさらに下にずらしていき、こう子さんの秘部に押し付けた。
こう子さんは仰向けに寝たままで、首を持ち上げて僕を見て言った。「舐めて」
僕は今の方向性を察知して、こう子さんのパジャマを丁寧に丁寧に脱がせて、こう子さんのパンティーを丁寧に脱がせた。今は女王と下僕だ。
こう子さんのクリトリスの周りにキスをし始めた。こう子さんは僕の頭を荒々しくつかんで、こう子さんが一番感じる強さで、こう子さんが一番感じるタイミングで、僕の頭を押さえつけ、僕の口や鼻をこう子さんのすでに蜜液に満ちた秘部を押し付けている。
僕は全神経を集中して、こう子さんの反応や次にどうして欲しいかの訴えを受け取ろうとしている。
ほんの一瞬、こう子さんは僕を見た。僕はこう子さんの秘部を舐めながら、自分のパジャマや下着を脱いだ。ここからは力で押さえつけられる下女だ。
僕は少し乱暴に、こう子さんの口元に僕の勃起した男根を押し付けた。こう子さんの頭をつかんで、ほら!舐めろ!と言わんばかりの乱暴な感じに。
本当は、この時に僕は色々な気持ちになっている。こう子さんにこんな乱暴な事は絶対にしたくないけれど、こう子さんがそれを誰かに望むのであれば、それは三橋さんや他の男性ではなく、僕であって欲しい。
僕はこう子さんが求める全部に応えたい。
僕はこう子さんの頭をもって、少し腰を振って、雑にこう子さんを扱う。本当は細心の注意を持ったうえでの、雑な扱いだけれど。
こう子さんの身体は受け身の反応だったので、僕がそのまま上になった。
「もっと脚を広げろよ」僕は小さめの声でこう子さんに命令した。
脚を大きく広げさせて、僕の男根をこう子さんの蜜壺にねじ込んだ。そのままの勢いで強く出し入れしたり、一番奥まで入れて、蜜壺の中をかき回すような動きをした。
その間もずっと、顔中の力を抜いて口や舌を柔らかくしてキスをし続けた。
いつもよりも受け身だと判断した僕は、僕にだけ許すと約束してくれた体位が良いと思った。
「四つん這いになって、お尻を高く上げろ」僕は命令をした。本当は、命令をしろと命令してくる、こう子さんの身体の命令に従った。
「悠太の意地悪……恥ずかしいよ……」
そういいながら、ちゃんと四つん這いになって、高く上げたお尻を僕に向けてきた。こう子さんの腰に手を置いて、僕の勃起した男根でこう子さんの淫唇を押し広げて蜜壺にグッと押し込んだ。
「ハァゥ」響子はの蜜壺は、僕を飲み込んだ。中をかき回すような動きや、上下に蜜壺を壊すような動きで、こう子さんの秘部は色々な卑猥で淫靡な音を出した。僕が興奮しすぎて、冷静にこう子さんを楽しませる事が難しくなってきている事に気が付いた。こう子さんもそれに気が付いた。こう子さんは四つん這いのまま、僕に顔を向けて大きな声で言った。
「悠太!中で出して!私に悠太の種を頂戴!私を妊娠させて!悠太だけの女でいさせて!」僕はもうダメだ。もっとこの時間を楽しみたい。ちょっとでも長く……
一応できるだけ頑張ったけれど、多分この後10回くらいの強い出し入れで射精した。
一番奥で射精した。こう子さんの子宮が僕の先端に子宮が当たって、そのゴリゴリ当たる子宮に、僕はたくさんの精子を流し込んだ。
頭がおかしくなりそうな性的な……とても淫靡な興奮と、子供が出来たらうれしいなというキレイな夫婦愛と、もう滅茶苦茶な幸福感だ。
こう子さんは四つん這いのまま前に倒れて、うつぶせになっている。「悠太、驚くことに朝から3時間もしちゃいまして、すみませんが今日は朝ごはんとお弁当は出来ません……」僕は時計を見ると、出発せねばならない時刻の2分前となっていた。僕は幸せ過ぎて怖い。
「幸せ過ぎて怖いよ。こう子さんを朝ごはんと早弁でいただいたので、仕事から戻ったら、夕飯のデザートにもう一度こう子さんを食べたいです」そう言うと僕はベッドを立ち上がって、大急ぎで顔を洗い、歯磨きはせずに口をゆすぎ、パンツを履く時に僕のおちんちんがティッシュだらけになっているのを見つけたけれど、家に帰るまで誰にも知られないと思い、そのままパンツを履いてズボンとシャツを着た。
「行ってくるね。大好きだよ。一緒になってくれてありがとう。世界で一番幸せだよ」そう言うと僕はうつぶせのまま、顔を僕に向けて目をつぶっているこう子さんの頬にキスをした。こう子さんはそのまま動かずに、ニマッと表情だけで答えてくれた。
デイバックを担いで玄関の中に入れてある自転車も担いで家を出た。鍵を閉めて階段を下りて振り向くと、2階の僕たちの部屋の窓から、こう子さんが手を振ってくれている。シーツを身体に巻いている。たった今まで僕は大好きなこう子さんと抱き合っていた。頭がおかしくなりそうなくらい幸せだ。
僕は自分にできるだけの手を振って、こう子さんに行ってきますと口の動きで伝えた。実際に大きな声を出すと近所迷惑になるから。
僕は自転車に乗って走り出した。一つ目の十字路を左に曲がり、ギリギリまだ見える窓にこう子さんが見送ってくれているのが見えた。僕はもう一度目いっぱい手を振った。
今日は朝からいつもより多めの手術中に行う敏速検査が入っている。準備は昨日やってあるから心配はいらないけど。僕は今日の予定を思い出して、手順を再確認しながら自転車を走らせていた。
自転車で走っているとフライドチキンの店の前を通った。僕は一度もクリスマスにこのお店のチキンを食べた事がなかった。でも今年はこう子さんと予約したので食べられる。クリスマスに妊娠すると子供の誕生日はいつになるんだろう?9月くらいかな?そんな事を考えて寒いけど温かい気持ちになっていた。
今年のクリスマスは二人でチキンを食べる。来年と再来年もまた二人でチキンを食べる。その次の年は……3歳くらいになったら、ミニ響子は一緒にチキン食べられるかな?ミニ響子と三人で食べられるかな?そもそもミニ響子は何人できるのかな?一姫二太郎って言うから、ミニ響子、ミニ悠太、もう一人ミニ響子がいいなぁ。さすがに実質1LDKじゃ狭いかなぁ。頑張って働こう。こう子さんにおいしいものを食べて欲しいから、頑張って働こう。もし子供ができなくっても、僕は響子コーチがいればそれでいい。
僕は川沿いの道。車道の左端を走っていて、僕を抜いていく車に気を付けながら走った。
さっきまで雨が降っていたようで、路面はぬれていた。朝から夢中でこう子さんとイチャイチャしっちゃっていたから、雨に気が付かなかったなぁ……
朝でも夜でも関係なく、安全のために僕は自転車のライトをONにしている。だから今日もライトはONだ。
僕を乗用車が抜かしていく。二台目も抜かしていく。風圧でバランスを崩さないように、慎重になる。三台目も抜かしていく。バランスに気を付ける。三台目の乗用車が僕を抜かしていった瞬間、僕の目に映ったのは、対向車が右折して僕の方に進んでくる場面だ。僕を抜いた乗用車のすぐ後の僕に、気が付く事なく右折をしてきたので、僕の自転車にその車はぶつかってきた。
僕は思った。ちゃんと前を見なきゃダメだろ。ほら、ちゃんと見ろよ!僕が走っているんだぞ。80万円もするロードバイクだって、こんな急には止まれないんだから、僕の中古で5万円のこのバイクじゃもっと無理だ。
僕は時速20キロから30キロで走っているんだから、2秒で止まるのは無理なんだよ。まったくもう。ええい!
ブレーキを力いっぱいに握った。
今夜のエッチではこう子さんはどんな風に指示してくるんだろう?またバックでするのもいいけど、顔が見えないのは淋しいんだよなぁ。こう子さんは僕とのセックスや生活に、満足してくれているんだろうか?サイズに自信を持てとか、こんな変化球投手は初めてだとか褒めてくれたけれど。今のままでいいのかなぁ?それともそろそろ違う刺激もあった方が良いのかなぁ。
前に僕がバカ言いだした時に言っていた、僕の前で元カレとしたいって言われたらどうしよう?僕はそれを受け入れられるのかな?
お父さんの誕生日っていつだっけ?もうじきかな?
真理雄は忙しくしているかな?冴子さんは元気かな?篤は幼児舎から大学に入ったよな。健ジは向上コーチを。ふるおかコーチが僕のために。僕はヒラオヨギヲ。おとうさんと山にいこう。お母さんと。たかだこーちはげんき。雅は同きゅうせい。ボクハ猫を飼っていた?ねこってなんだ?ボクハ。ぼクハオヨげる ぼくはダれだ いキがデきナい いタい ボク わカンない あし め て くち く くろ みみ め て
――こう子さん。大好きだよ。響子コーチ、僕がバカ過ぎて、傷つけてごめんね。僕を選んでくれたのに、最後まで守ってあげられなくって……幸せになってね。。。。。。僕を愛してくれて。。。。。。心から、ありがとうね
こう子さんは許してくれて、その後も優しくしてくれたけれど、本当に意識を変えないと絶対失くしたくないものを失くす結果になってしまう。それには気が付いている。
詳細ではないけれど、すごくざっくりと今回の僕の大バカを真理雄に伝えると、一言返信が来た。
「響子コーチを信じろ」
しばらくの間この言葉は僕のお守りだ。おかしくなりかけた時にはこの呪文を唱えよう。中学生の時にも「今だけの彼氏」って呪文を教えてもらったもんなぁ。
そうだよ。僕が今だけの夫にならないために、僕は全力で自分を改善しなきゃ。
そして僕の力不足で改善できない時には、こう子さんを信じてコーチングしてもらおう。そう心地に誓った。
こう子さんはアルバイトでも探そうか、それともせっかく留学してスポーツリハビリを学んできたのだから、アスリートが通うようなジムに見学に行こうか悩んでいた。
高給取りではないけれど、家賃がかからないので僕の給料でも貧乏生活は続けられる。
こう子さんのいざという時には、お父さんやお母さんがいるから、生活に心配はしていない。甘ったれているなぁ。
ある夜、夕飯を食べている時に、こう子さんが食後折り入って相談したい事があると言った。こう子さんはデザートのシュークリームを食べた後、座りなおして両手を机の上に置いた。
「あのね、プロ野球の球団と契約をして、選手が怪我をした時に、リハビリメニューを組んだり、実際にリハビリを提供する団体があるのね。昔の知り合いから連絡があって、籍を置いてみないかって言われたの。あ、その知り合いは女性ね。で、その団体の部長さんと会ってみようかな?って思っているんだけど」
「うん、昔の知り合いは女性って、ごめんね、気を使わせて。こう子さんのキャリアにつながりそうな話だね。でも折り入った相談って話でもないような気がするけれど」
「え~とね、実はその部長さんというのが、古岡さん、覚えてる?」
「もちろん。主任コーチの」
「その古岡さんの学生時代の先輩なんだって。どうやら古岡さんから私の話を聞いて、それで連絡が回ってきたようなんだけど。でね、その部長さんが久しぶりに古岡さんとも話がしたいってなって、スイミングクラブで話をしないか?って事になってるの」
「うん」
「で、ですよ。スイミングクラブには、まだモモさんがね、いるの。だから悠太が嫌だったら別日別場所にしてもらう。変な意味じゃなくってね、古岡さんも元気かな?とか、モモさんも元気かな?って思うし、モモさんにはね、悠太と結婚した事を自分の口で伝えたいのよね」
「僕も変な意味じゃなくって、どうしてモモさんに僕と結婚した事を伝えたいの?」
「え~とね、勇気出すね。モモさんってね、本当に良い人だったのよね。私がバカでダメにしちゃったんだけど。付き合っている時にね、悠太君という高校生の猛アタックを受けていたので、色々アドバイスをもらってたの。三橋は突き放せの一点張りだったんだけど、モモさんはそうではなくって、その高校生の事を第一に考えて、ちゃんと向き合わないとダメだって言ってくれていたのよ。だからね、成就したよって伝えたいってとこかしら」
「成就したのは僕の想いでしょ?響子コーチじゃなくって」
「それがね、モモさんと付き合っている時に何回か言われたの。多分響ちゃんも、あ、私の事そう呼んでいたんだけど、私も悠太君の事が気になっているのではないか?そうでなければ悩まないはずだよって。私がコーチで悠太君が高校生の生徒だから、自分の気持ちを無しに強制しているだけじゃないのかなって。だからね、私の想いの成就でもあるの」
「まずキスしてください」
僕はこう子さんを信じて?お願いをした。こう子さんは席を立って、僕の隣に座って、柔らかい、温かいキスを5分してくれた。
「僕が今、心にある事を正直に言うね。百瀬コーチを超える事はできないかもなって気持ち。完敗な気持ち。こう子さんは百瀬コーチといた方が……」こう子さんが遮った。
「そんなんじゃないって。私は悠太と一緒にいるの、とっても幸せよ」
「ごめん、そうじゃなくってちゃんと言わせて。百瀬コーチといた方が、こう子さんは幸せになったかもしれないって気持ちがある。でも、そうじゃない今があるから、百瀬コーチとは違う形でこう子さんを幸せにできるように努力しようって思った。恥ずかしいけれど、こう子さんのその声で、エッチしている時にモモさんって言ったのかなとか、百瀬コーチが響ちゃんって言ったのかなっていう、バカな嫉妬心。三橋さんの下でどんなふうに腰を振っていたのかなっていう、もっとバカな嫉妬心。古岡コーチとは何もなかったんだろうなぁという最高にバカな猜疑心。あとどうして百瀬コーチと別れたのかなっていう、変な好奇心。ぐるっと回って、こう子さんのキャリアを生かせるのだから、話は聞いてみるべきだという気持ち。そこに百瀬コーチがいるとしても、問題ないという気持ち。三橋さんなら多分嫌だって思った気持ち。こんな感じ。それと、こんなバカをこう子さんに話した事で、なんか楽になった気持ちかな」
「うん、ありがとう。このありがとうは、信じて話してくれた事に対してね。モモさんとはね、恥ずかしいんだけどセックスが不満だった。義足だからとかじゃなくって、彼は淡白でね、精神的な付き合いを大事にする人だったの。だから付き合ってても月1回か、2回って人だったから、私が浮気したの。それがバレたけれどまったく責めてこなくって。自分がひどく汚い女に思えてきて、それで別れたの。古岡さんとは何もないよ。妻子持ちに手を出したことは無い。自慢げに言う事でもないけれど。答えられたかしら?」
「浮気相手って……」
「ごめん。三橋とライフセーバーの押尾君っていう人」
「ああ、沖縄に行った……」
「そうです。ごめんなさい」
「いや僕に謝らないでよ……もうひとついい?」
「うんどうぞ」
「三橋さんとは、身体の相性が良かったの?」
「それねぇ。えっと、恥ずかしいなぁ。悠太とセックスをしていると、気が付いているんだろうなって思っているんだけれど、私は気が強くってこういう性格なんですが。え~と、恥ずかしいなぁ。こういう性格だから、私に言い寄ってくる男性はヤサオというか気弱な人が多いのね。でも私、力で押さえつけられるような感じも、その、嫌いじゃないというか……」
「むしろ好きですよね?中学生の僕に言葉でもハッキリ言ってるよ?自分より強い男が好きだって」
「ははは、失礼しました。まあ、そうなのかな。三橋は根っからそうだったから、ずっと一緒にいるのは嫌だったんだけど、ホント、ホント時々そうなると言いますか、ヤルだけならと言いますか、まあ都合が良かったというか……。だからそう意味では相性が良かったとも言えるし、毎日したいとは思わなかったので相性が悪かったとも言える。これは逃げかな……。それに対してですね、悠太のすごい所はね、1回のセックスの中で私の気持ちを読み切っているみたいに、私を力で押さえつけたり、私が悠太を力で押さえつけたり、ラブラブにしてみたり、変幻自在の変化球を投げてくるでしょ?ちょっとそれがたまらないというか、なんといいますか……」
「こう子さん。僕は今、最高に幸せであるのと同時に、わかりやすいおべんちゃらで持ち上げれて、こんなに有頂天になる大馬鹿野郎だと感じています」
「本当の事だよ?こんなに変幻自在な変化球、見たことが無いから、私も夢中になっちゃうよ」
こう子さんがキスをしてくれて、僕らはそのままシャワーに流れ込んだ。シャワーを出しっぱなしにして、また長時間のキスをしていた。
「押尾さんって……エッチはうまかった?」僕はキスをしたままで聞いた。
「あ~。まだ納得してもらえていませんかぁ。え〜と、彼はイケメンの遊び人だったので、上手いとはなんぞや?って話にもなるんですが、まあ、上手いのでないでしょうか?技術的にも?確実に70点取ってくると言いますか、そもそも女扱いが上手い人だよね。喋りとか、誘い方とか、ね」
「まずキスしてください」
こう子さんは話しを止めてキスをしてくれた。
「もっとベロをください」
こう子さんはもう一度キスをして、さっきよりも丁寧に、優しく僕の口の中で、こう子さんの舌を踊らせてくれた。
キスをしてもらい、勇気をもらった僕はこう子さんに言った。「すごく勇気がいるので、もうこれは、ずっと先送りしてきている問題があるのですが……」
「なんでしょう?」
「僕はこう子さんしか知りませんし、まだまだエッチした回数も少ないですし、練習と言えば、こう子さんとお付き合い結婚する前に、自分の腕にキスをしたり、恥ずかしながら、こう、腕を曲げて、この、ひじの内側にできる割れ目を舐めまわしていたくらいです」僕は肘を曲げて実際にやって見せた。
「わははははは」こう子さんは手を叩いて大爆笑した。
「笑いたいだけ笑ってください。僕との、エッチは、大丈夫なんでしょうか?」
「大丈夫とは?」
「満足いただけているのでしょうか?」
「満足しているよ~。私、悠太、大好きだもん」
「いや、そういうのじゃなくてですね、その、さっきも出てきた技術点とかですね、僕が押尾さんに遠く及ばないのは理解するのですが、自分のタイムを知らないとですね、努力の方向が見えないというかですね」
「待って待って悠太。例えばですね、私よりセックスの上手い女性がいます。悠太がその人としたら、悠太は私よりも気持ち良くて、私とのセックスをカスだと思うのでしょうか?」
「まずしません。こう子さん以外とは」
「あ~、もう。こういう時は寄って来いよ。じゃあ機械でどうだ?電気仕掛けのすっごい機械があります。もう電気だから私では絶対できない凄い動きです。悠太なんかじゃ、なんなら10秒でイかされる機械です。さて、悠太はこのマシーンと私と、どっちとしますか?」
「こう子さんに決まってるよ。大好きだからしたいんだよ。もちろんこう子さんとのエッチは身体も気持ち良いよ?でも気持ち良いは好きと比例するんじゃないの?」
「はい、それ。私は悠太が大好きだから、比例係数により悠太と押尾君では勝負になりません」
「でもだよ?初めは好きだから付き合う訳でさぁ、だったらそこに技術点が加わればさぁ、すごいじゃん」
「だからぁ……押尾君とはモモさんとのセックスが足りなかったから浮気しただけなので、あ~も~大好き~とかはありません」そう言ってこう子さんは、僕にブチュ~という、いつもの柔らかいのとは違うキスをしてくれた。そして話をつづけた。
「三橋は18の時に、出会って1か月くらいで口説かれて、その後お付き合いして、別れるまでは2年ちょいです。高校時代の初めての彼氏も出会って3か月後に告白されて2年付き合いました。モモさんは出会って2年弱で付き合い始めて、その後2年ちょいで別れました。他のも大体出会って数か月で付き合って、2年持たずに別れています。それ以外は数回の、あの、ね?浮気相手です。つまりですね、出会って10年で付き合うの飛ばして結婚決めた時点で、誰より長いお付き合いなんです。それだけでもう時間係数による想い入れが違います」
「でもまだ僕とはエッチし始めてから1年ちょいしか経っていないし」
「さっき気持ちの方が大事だって、おっしゃってましたよねぇ?それにですよ?例えば一番多かった人で平均週2回だとして、1年間53週として、2年で106週だから212回ですねぇ。あなたとは計算が面倒なので1年だったとしても、私の生理2日目以外、ほぼ毎日ですよねぇ?私の場合概ね32日周期なので、365日だとして12回生理2日目があった計算なので、353回ですねぇ。しかも1年間のうちお休みの日の1日、つまり53日は朝から晩までしてますよねぇ?今までのセックスはせいぜい1時間くらいなので、8倍の換算になりますよねぇ?53日を8倍すると400オーバーですねぇ?毎晩のセックスだって1時間で終わる事なんてありますか?1度でも2時間切った事がありますか?無いですよねぇ?一番安く見積もって212対353ですし、時間換算すれば212対1000になりますよ?わかりますか?」
「なんか騙されている気がします。口車に乗せられている気がします。回数だけじゃなくって、その、あれですぅ。長さとか太さとか曲がりとかぁ……」
「あ?!もしかして、気が付いてなさそうなので申し添えますけど、サイズ的にあなたはブッチギリのサイズですよ?あなた童貞上がりだから知らないでしょうけれど、あ、そういえば私とコンドーム使ってセックスした事一度もないですねぇ。一度ごく普通のコンドームを買ってみてください。多分装着できないのでぇ。あなたたぶん大きい人専用のじゃないとつけられませんから!正直私、初めてあなたのを口でしたときに、これはちょっと無理かもって思いましたから!俺のでかさに夢中になってんだぜ!この女!ぐらいの自信を持っててくださいよ!」
「じゃあ僕だけ特別をくださいよ!」
「けっこういろいろすでに特別だらけなんですけどね!何かお望みはありますか!?」
「……」
「なんですか?ネタ切れですか?」
「……おしっこを……飲ませてください……」
「はぁ?!言うに事欠いて、何を言い出してくれているんですか?!」
「ずっと一緒にいたいんです!」
「それとそのド変体行為のどこにつながりが?!」
「こう子さんのおしっこを飲んで、僕の細胞に吸収されれば、それは僕がこう子さんでできているって事になって、そうしたら僕がこう子さんになるので、ずっと一緒にいられるじゃないですか!」
「はぁぁ?!……シャワー代がもったいないので、一度休廷します!」
「……はい」
僕らは一度争いをやめて、身体を洗いっこしてシャワーを出て、身体を拭きっこしてベッドの上で向かい合って座っている。
「あのね悠太。最後のはちょっと、病的過ぎるというかなんというか……。今までそれは言われた事ないし、周りで聞いた事もない。だから難しいよ……」
「なんでですか?ケチだなぁ」
「ケチとかそういうのじゃなくってね、さすがに……ちょっと……」
「エッチしている時に、僕がこう子さんの唾液をくださいってお願いする時は、飲ませてくれるじゃないですか?!」
「いやいやいや……唾液はほら……キスすれば多少は交換されものだけど……」
「こう子さんだって、医療関係者なんだから、尿は無菌なの知ってますよね?唾液の方が菌は多い!」
「いやいやいや……胸張られても……」
僕はベッド上で土下座した。
「どうか、どうか僕に僕だけ特別をください。こう子さんのおしっこを飲ませてください」
「いやいやいや……いやいやいやいや……」
「お願いします。どうかお願いします」
「例えばだよ?じゃあ良いですよってなってだよ?飲んだけど、うわぁ~まずい~ってなってだよ?なんか響子コーチのおしっこまずいから気持ち冷めちゃったよ~なんてなってからじゃ遅いんですよ!取り返しがつかないんですよ!」
「そうはならない自信しかないです」
「いやいやいや……胸張られても……」
この後しばらく押し問答が続き、最終的に一度だけという条件付きで許可が出た。
もう一度バスルームに戻り、こう子さんがバスタブの縁に座って股を開いたままで言った。
「本当にやるの?……」僕はこう子さんの股に口を付けて、いつでも飲める状態を整えていた。
――チョロ――ほんのちょっとだけ出た。「ひゃぁ~」そう言って顔を両手で隠しながら、こう子さんはチョロッチョロッとちょっとずつ出し始めて、その後でジャーッと出してくれた。僕はそれを一滴もこぼさずに全部飲んだ。はじめて飲んだおしっこは、飲み物としては生温かく美味しくはないかもしれないけれど、その生温かさも含めて僕はすっごい幸せを感じた。
「大丈夫?気持ち悪くない?」
「とってもおいしかったです。すっごい幸せです。どうか今後、毎日のように、毎回のようにお願いしたいです」
「おしっこ飲むなんて……普通じゃないよぉ~」こう子さんはまた自分の顔を両手で隠して言った。
「ひとつ今の言葉に修正を加えさせてもらえるならば、僕はおしっこが飲みたいのではなく、こう子さんのおしっこが飲みたいと希望しています。こう子さんのおしっこ限定の話をしています!」
「……だから胸を張られても……」
僕は幸福感絶頂の中で、1001回目のエッチのお願いをした。今日のこう子さんは、僕のお願いで調子を狂わせてしまったようで、やたらと受け身から始まった。
柔らかくて優しくて暖かいキスはいつも通りだったけれど、力づくでされたい様子でも、力づくでしたい様子でもなく、こう子さんが望んでいる事を見つけるのが困難だった。
終始僕が上になって、僕はできる限り優しく、だけどこう子さんのおしっこを飲ませてもらえた喜びで、ドーパミンは出まくっている状態だった。
受け身気味のままのこう子さんが、上に乗っている僕の胸に両手を当てた。離れろと言われた気がしたからゆっくりと離れた。こう子さんは身体の向きを変えようとしている動きを見せたので、僕は一度男根を抜いた。こう子さんは一度うつぶせになると、ひざを立てて四つん這いの体勢になった。顔だけ振り向くように僕を見て言った。「バックで一番奥で出して」僕はさらにドーパミンまみれになって、夢中になっていたし、嬉しかったし、大丈夫なんだろうと思って指示に従った。最っ高だ。
だって、今までもどんなに盛り上がっても、バックは嫌がっていたのに、自分からバックになって、しかも奥に出してなんて。脳出血を起こしそうだ。
僕はパンパン音がするように後ろから突いてみたり、上半身をこう子さんの背中につけて振り向いたこう子さんにキスしてみたり、こう子さんに腕を使わせず、お尻だけを高く上げるような姿勢になってもらい、こう子さんの蜜壺の中を肉棒でかき回しまくった。「グッポォゥ、グッポォゥ」というものすごく淫靡な音が部屋に響いた。もっと楽しみたかったけれど、中学生の頃のサウナ室の画像や、自転車のツーリングの時も、ずっとこっそり見るだけだった響子コーチのお尻を、自分のモノのように独占して快楽をむさぼっている現実に、僕は限界を迎えた。バックは初体験だったけれど、僕が射精する時には、こう子さんの子宮が迎えに来るように僕の肉棒に届くところに来てくれて、僕はこう子さんの子宮にたくさんの量の精子を注ぎ込んだ。
終わった後で、まだ裸で二人とも前に倒れる形でうつぶせになっていた。そのままで顔だけ横に向けて見つめ合っている時に僕は言った。「中で出して大丈夫な日って思わなかった。前の生理の日の記憶がズレっちゃって2週間目って思ってた……それに、それにバックを、バックをついに……」
こう子さんは裸のままモゾモゾ動いて僕を仰向けにさせて、女性上位のように僕の上に登ってきて言った。「生理のタイミングは正解」
「え?大丈夫?薬とか飲んだの?」僕はちょっと慌ててしまった。
こう子さんは僕の額に額を乗せて言った。「私ができる悠太だけ特別は、たくさん渡しているつもりなんだけど、悠太がわかりやすい事が良いって思って、バックは勇気出したよ。お尻の形が悪くって、悠太のおちんちんが柔らかくならなくて良かった」
「こう子さん、それ本気で言っているの?こんなにエッチで、色っぽくって、艶っぽくって、やらしくって、そんなお尻の形が悪いわけがない」
「ははは、形が悪くても、悠太がエッチだと思ってくれるなら、これからも悠太がしたいタイミングでバックでしてね。私も初心者だから動きとかよくわからないヘタクソだけど」
「他の体位ならベテランみたいな発言はいかがですかね。でもまあ、バックは僕だけのものとして有難く。僕だけ特別が嬉しい」
「バックもだけど……悠太の子供が欲しい。子供を作ろう」
「え?!」僕は特別なうれしさと不安に近い気持ちを持った。
こう子さんが言った。「微妙な顔だねぇ」
「ちょっと、えっと……」
「私との子供は作りたくないって?」
「違う違う。こう子さんのキャリアが、えっと、さっき言ってたプロ野球選手の怪我明けのリハビリの仕事とかメディカルベースのあの……」
こう子さんは僕の胸の上に両肘をついて、あごを乗せて言った。「ありがとうね。悠太はいつでも私だね。私の事が大好きな悠太。私の過去が悠太を不安にさせちゃう。でもこれは変えられない。今更ね。あまりにもちょっと恥ずかしすぎるさっきの……おしっこのアレも……悠太が望むなら応えていきたいんだけどね、悠太の不安を解消するためには、絶対的に今までの人とはごまかしがきかないレベルでの違いが必要だって思ったの。だってそのうち、他の人にもおしっこを飲ませていたんだろ!とか言いかねないし。私がどれだけ悠太は特別だって言っても、フォースの暗黒面に落ちている時の悠太には届かないからさ。いくらなんでも私に隠し子がいるとは思わないでしょ?だとしたら、二人の間に子供がいれば、それでハッピーだって思ったの。私たちの親もね。孫ができてハッピー。だから子供作ろう。私は私のキャリアより、悠太との人生を選びたい。悠太は嫌?」
「嬉しいけど、ちゃんと、もっとちゃんと考えてから」僕がオロオロしているのを見て、こう子さんが話を遮った。
「ふふふ。悠太と結婚して、家族になった。もっともっと悠太とつながりたいって思ったの。ほら、前に悠太がミニ響子が欲しいって言ってたでしょ?」
「うん、胸ポケに入るやつね」
「ははは、覚えてるんだね。本当の子供は胸ポケには入らないし、可愛いだけじゃなくって大変な事の方が多いとは思うけれど。私もミニ悠太が欲しいって思っちゃったのよ。ダメ?」
「ダメな訳無いじゃん。確かに、正直、長いこと待って手に入れたこう子さんとの時間だから、今しばらく誰にも邪魔されたくない、それがミニ響子だったとしても、邪魔されたくないって気持ちはあるけれど、それと同時に手にするものが、ちょっと大きすぎて言葉にできない」
僕はこう子さんをギュッ~~~と抱きしめた。
「でもこう子さん。僕がこう子さんの過去というフォースの暗黒面に落ちちゃうせいで、こう子さんがしたい事が出来ないのは、やっぱりそれは僕としても不本意だよ。もっとちゃんと考えてから、勢いじゃなくってさ」
「理由はどうあれ私が選んだ事よ?それに嫌なこと思い出させるかもだけど、私が悠太と結婚を決めたあの日だって、勢いといえば勢いだよ?そう思わない?」
「……ははは。確かに」僕たちは二人でくすくす笑い出して、最後は大笑いしていた。僕はもっと急いで大人になろう。僕のお父さんや、こう子さんのお父さんのように。こう子さんの過去にいつまでもグズグズ言っていないで、こう子さんが家族として選んでくれたんだから、僕はもっと大人になりたい。真理雄だって出来たんだ。僕も三橋さんや百瀬コーチごと、こう子さんを包み込める男になりたい。
それからしばらくは毎晩こう子さんの中でイかせてもらった。次の生理中もこう子さんがひどく具合の悪かった2日目以外は毎日奥で。さすがに毎晩4時間は体力的にキツイと言われてしまったので、毎晩2時間の制限をかけた。毎回一番奥でイかせてもらっていたけれど。
いつものように、いつもの今日がスタートした。僕は病院へ行くし、こう子さんは僕たちの生活を支えてくれる。
起きた時に、こう子さんの匂いがする毎日が凄い。
起きた時に、こう子さんの体温を感じられる毎日が凄い。
起きた時に、こう子さんの呼吸が聞こえる毎日が凄い。
僕は一刻も早く家に戻ってくる必要がある。毎朝思うんだ。僕は10年間毎日毎日願った。
手を伸ばせば、響子コーチがそこにいる、こんな嘘のような本当の話を。
僕はなんて幸せなんだろう。
「……ん」こう子さんがゆっくりと目を開けた。「どうしたの悠太?まだ早いよ?むしろ遅いよ?」声にならないくらい、かれた小さな声で言った。
「起こしちゃったらゴメン。隣にこう子さんが寝ている幸せをかみしめ過ぎていたところだった」こう子さんは一度閉じた目をうっすらあけて、僕に抱きついてきた。温かい。生きている。こう子さんが生きている。僕は本当にうれしく感じる。
「私の事が大好きな、私の大好きな悠太」こう子さんは僕を抱きしめたままで声に出した。
「幸せだよ。こう子さんに想いが届いて。本当に幸せだよ」僕はこう子さんのおなかのあたりに顔を付けて抱きしめた。
そのまま顔を下にずらしていき、こう子さんのパジャマ越しの下腹部に顔をうずめた。こう子さんは両手で僕の頭をさらに下にずらしていき、こう子さんの秘部に押し付けた。
こう子さんは仰向けに寝たままで、首を持ち上げて僕を見て言った。「舐めて」
僕は今の方向性を察知して、こう子さんのパジャマを丁寧に丁寧に脱がせて、こう子さんのパンティーを丁寧に脱がせた。今は女王と下僕だ。
こう子さんのクリトリスの周りにキスをし始めた。こう子さんは僕の頭を荒々しくつかんで、こう子さんが一番感じる強さで、こう子さんが一番感じるタイミングで、僕の頭を押さえつけ、僕の口や鼻をこう子さんのすでに蜜液に満ちた秘部を押し付けている。
僕は全神経を集中して、こう子さんの反応や次にどうして欲しいかの訴えを受け取ろうとしている。
ほんの一瞬、こう子さんは僕を見た。僕はこう子さんの秘部を舐めながら、自分のパジャマや下着を脱いだ。ここからは力で押さえつけられる下女だ。
僕は少し乱暴に、こう子さんの口元に僕の勃起した男根を押し付けた。こう子さんの頭をつかんで、ほら!舐めろ!と言わんばかりの乱暴な感じに。
本当は、この時に僕は色々な気持ちになっている。こう子さんにこんな乱暴な事は絶対にしたくないけれど、こう子さんがそれを誰かに望むのであれば、それは三橋さんや他の男性ではなく、僕であって欲しい。
僕はこう子さんが求める全部に応えたい。
僕はこう子さんの頭をもって、少し腰を振って、雑にこう子さんを扱う。本当は細心の注意を持ったうえでの、雑な扱いだけれど。
こう子さんの身体は受け身の反応だったので、僕がそのまま上になった。
「もっと脚を広げろよ」僕は小さめの声でこう子さんに命令した。
脚を大きく広げさせて、僕の男根をこう子さんの蜜壺にねじ込んだ。そのままの勢いで強く出し入れしたり、一番奥まで入れて、蜜壺の中をかき回すような動きをした。
その間もずっと、顔中の力を抜いて口や舌を柔らかくしてキスをし続けた。
いつもよりも受け身だと判断した僕は、僕にだけ許すと約束してくれた体位が良いと思った。
「四つん這いになって、お尻を高く上げろ」僕は命令をした。本当は、命令をしろと命令してくる、こう子さんの身体の命令に従った。
「悠太の意地悪……恥ずかしいよ……」
そういいながら、ちゃんと四つん這いになって、高く上げたお尻を僕に向けてきた。こう子さんの腰に手を置いて、僕の勃起した男根でこう子さんの淫唇を押し広げて蜜壺にグッと押し込んだ。
「ハァゥ」響子はの蜜壺は、僕を飲み込んだ。中をかき回すような動きや、上下に蜜壺を壊すような動きで、こう子さんの秘部は色々な卑猥で淫靡な音を出した。僕が興奮しすぎて、冷静にこう子さんを楽しませる事が難しくなってきている事に気が付いた。こう子さんもそれに気が付いた。こう子さんは四つん這いのまま、僕に顔を向けて大きな声で言った。
「悠太!中で出して!私に悠太の種を頂戴!私を妊娠させて!悠太だけの女でいさせて!」僕はもうダメだ。もっとこの時間を楽しみたい。ちょっとでも長く……
一応できるだけ頑張ったけれど、多分この後10回くらいの強い出し入れで射精した。
一番奥で射精した。こう子さんの子宮が僕の先端に子宮が当たって、そのゴリゴリ当たる子宮に、僕はたくさんの精子を流し込んだ。
頭がおかしくなりそうな性的な……とても淫靡な興奮と、子供が出来たらうれしいなというキレイな夫婦愛と、もう滅茶苦茶な幸福感だ。
こう子さんは四つん這いのまま前に倒れて、うつぶせになっている。「悠太、驚くことに朝から3時間もしちゃいまして、すみませんが今日は朝ごはんとお弁当は出来ません……」僕は時計を見ると、出発せねばならない時刻の2分前となっていた。僕は幸せ過ぎて怖い。
「幸せ過ぎて怖いよ。こう子さんを朝ごはんと早弁でいただいたので、仕事から戻ったら、夕飯のデザートにもう一度こう子さんを食べたいです」そう言うと僕はベッドを立ち上がって、大急ぎで顔を洗い、歯磨きはせずに口をゆすぎ、パンツを履く時に僕のおちんちんがティッシュだらけになっているのを見つけたけれど、家に帰るまで誰にも知られないと思い、そのままパンツを履いてズボンとシャツを着た。
「行ってくるね。大好きだよ。一緒になってくれてありがとう。世界で一番幸せだよ」そう言うと僕はうつぶせのまま、顔を僕に向けて目をつぶっているこう子さんの頬にキスをした。こう子さんはそのまま動かずに、ニマッと表情だけで答えてくれた。
デイバックを担いで玄関の中に入れてある自転車も担いで家を出た。鍵を閉めて階段を下りて振り向くと、2階の僕たちの部屋の窓から、こう子さんが手を振ってくれている。シーツを身体に巻いている。たった今まで僕は大好きなこう子さんと抱き合っていた。頭がおかしくなりそうなくらい幸せだ。
僕は自分にできるだけの手を振って、こう子さんに行ってきますと口の動きで伝えた。実際に大きな声を出すと近所迷惑になるから。
僕は自転車に乗って走り出した。一つ目の十字路を左に曲がり、ギリギリまだ見える窓にこう子さんが見送ってくれているのが見えた。僕はもう一度目いっぱい手を振った。
今日は朝からいつもより多めの手術中に行う敏速検査が入っている。準備は昨日やってあるから心配はいらないけど。僕は今日の予定を思い出して、手順を再確認しながら自転車を走らせていた。
自転車で走っているとフライドチキンの店の前を通った。僕は一度もクリスマスにこのお店のチキンを食べた事がなかった。でも今年はこう子さんと予約したので食べられる。クリスマスに妊娠すると子供の誕生日はいつになるんだろう?9月くらいかな?そんな事を考えて寒いけど温かい気持ちになっていた。
今年のクリスマスは二人でチキンを食べる。来年と再来年もまた二人でチキンを食べる。その次の年は……3歳くらいになったら、ミニ響子は一緒にチキン食べられるかな?ミニ響子と三人で食べられるかな?そもそもミニ響子は何人できるのかな?一姫二太郎って言うから、ミニ響子、ミニ悠太、もう一人ミニ響子がいいなぁ。さすがに実質1LDKじゃ狭いかなぁ。頑張って働こう。こう子さんにおいしいものを食べて欲しいから、頑張って働こう。もし子供ができなくっても、僕は響子コーチがいればそれでいい。
僕は川沿いの道。車道の左端を走っていて、僕を抜いていく車に気を付けながら走った。
さっきまで雨が降っていたようで、路面はぬれていた。朝から夢中でこう子さんとイチャイチャしっちゃっていたから、雨に気が付かなかったなぁ……
朝でも夜でも関係なく、安全のために僕は自転車のライトをONにしている。だから今日もライトはONだ。
僕を乗用車が抜かしていく。二台目も抜かしていく。風圧でバランスを崩さないように、慎重になる。三台目も抜かしていく。バランスに気を付ける。三台目の乗用車が僕を抜かしていった瞬間、僕の目に映ったのは、対向車が右折して僕の方に進んでくる場面だ。僕を抜いた乗用車のすぐ後の僕に、気が付く事なく右折をしてきたので、僕の自転車にその車はぶつかってきた。
僕は思った。ちゃんと前を見なきゃダメだろ。ほら、ちゃんと見ろよ!僕が走っているんだぞ。80万円もするロードバイクだって、こんな急には止まれないんだから、僕の中古で5万円のこのバイクじゃもっと無理だ。
僕は時速20キロから30キロで走っているんだから、2秒で止まるのは無理なんだよ。まったくもう。ええい!
ブレーキを力いっぱいに握った。
今夜のエッチではこう子さんはどんな風に指示してくるんだろう?またバックでするのもいいけど、顔が見えないのは淋しいんだよなぁ。こう子さんは僕とのセックスや生活に、満足してくれているんだろうか?サイズに自信を持てとか、こんな変化球投手は初めてだとか褒めてくれたけれど。今のままでいいのかなぁ?それともそろそろ違う刺激もあった方が良いのかなぁ。
前に僕がバカ言いだした時に言っていた、僕の前で元カレとしたいって言われたらどうしよう?僕はそれを受け入れられるのかな?
お父さんの誕生日っていつだっけ?もうじきかな?
真理雄は忙しくしているかな?冴子さんは元気かな?篤は幼児舎から大学に入ったよな。健ジは向上コーチを。ふるおかコーチが僕のために。僕はヒラオヨギヲ。おとうさんと山にいこう。お母さんと。たかだこーちはげんき。雅は同きゅうせい。ボクハ猫を飼っていた?ねこってなんだ?ボクハ。ぼクハオヨげる ぼくはダれだ いキがデきナい いタい ボク わカンない あし め て くち く くろ みみ め て
――こう子さん。大好きだよ。響子コーチ、僕がバカ過ぎて、傷つけてごめんね。僕を選んでくれたのに、最後まで守ってあげられなくって……幸せになってね。。。。。。僕を愛してくれて。。。。。。心から、ありがとうね