戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました
「あ、出発はいつになりますか? 五日間の馬車旅ですよね。着替えの用意をしなくっちゃ」
腕組みをして顎に指を触れさせつつ、シルファは脳内のトランクにあれやこれやと必要な持ち物を詰め込んでいく。
「ん? 馬車は乗らんぞ。俺の転移魔法で行く。出発は……そうだな、準備ができれば今夜にでも。今日の仕事を片付けて、荷造りが済んだら出発しよう」
「転移魔法!? 今夜!?」
目を剥くシルファをルーカスは楽しそうに見つめている。ここまでくると、シルファを驚かせるために色々と準備を整えているのではと疑いたくなる。
「て、転移魔法って……上位魔法ですからね。近い距離の移動ならともかく、馬車で五日の距離の転移は流石のルーカスでも難しいのでは?」
「ふん、俺を誰だと思っている。主要な都市はおおかたマーキング済みでな。その印を辿ればどれだけ離れ場所でも転移は容易い」
簡単に言うが、きっとそんなことができるのはこの大陸中探してもルーカスだけではないだろうか。
ルーカスという存在の規格外さを再認識しつつ、シルファは業務の合間に慌てて荷造りをすることになったのだった。
◇
腕組みをして顎に指を触れさせつつ、シルファは脳内のトランクにあれやこれやと必要な持ち物を詰め込んでいく。
「ん? 馬車は乗らんぞ。俺の転移魔法で行く。出発は……そうだな、準備ができれば今夜にでも。今日の仕事を片付けて、荷造りが済んだら出発しよう」
「転移魔法!? 今夜!?」
目を剥くシルファをルーカスは楽しそうに見つめている。ここまでくると、シルファを驚かせるために色々と準備を整えているのではと疑いたくなる。
「て、転移魔法って……上位魔法ですからね。近い距離の移動ならともかく、馬車で五日の距離の転移は流石のルーカスでも難しいのでは?」
「ふん、俺を誰だと思っている。主要な都市はおおかたマーキング済みでな。その印を辿ればどれだけ離れ場所でも転移は容易い」
簡単に言うが、きっとそんなことができるのはこの大陸中探してもルーカスだけではないだろうか。
ルーカスという存在の規格外さを再認識しつつ、シルファは業務の合間に慌てて荷造りをすることになったのだった。
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