戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました
「……はい。私はメンテナンスの仕事に誇りを持っています」
「そうか。ならば、デスクを運ばせる。明日からここで作業をするといい。依頼の魔導具もここまで運んでもらおう。手が空いた時は、書類整理や掃除といった身の回りのことを手伝ってもらえると助かる」
ルーカスの労わるような笑みに、胸が温かくなる。
彼は、シルファが自分の仕事を大切に考えていることをよく理解してくれている。たかがメンテナンスと馬鹿にせず、辞めろとも言わない。それがとてもありがたかった。
「はい! 喜んで」
なぜだかじわりと込み上げてきた熱いものをグッと堪え、シルファは感謝の気持ちが伝わるように元気に返事をした。
「いい返事だ。エリオット、悪いが今からシルファの部屋について行ってくれ。荷物をここへ運んでしまおう」
「えっ!?」
「承知いたしました。シルファ様、行きましょう」
「え、あ、待ってください……!」
突拍子もないことばかり言うルーカスに目を剥きながら、涼しい顔でスタスタと扉に向かうエリオットの背を慌てて追いかけた。
◇
「そうか。ならば、デスクを運ばせる。明日からここで作業をするといい。依頼の魔導具もここまで運んでもらおう。手が空いた時は、書類整理や掃除といった身の回りのことを手伝ってもらえると助かる」
ルーカスの労わるような笑みに、胸が温かくなる。
彼は、シルファが自分の仕事を大切に考えていることをよく理解してくれている。たかがメンテナンスと馬鹿にせず、辞めろとも言わない。それがとてもありがたかった。
「はい! 喜んで」
なぜだかじわりと込み上げてきた熱いものをグッと堪え、シルファは感謝の気持ちが伝わるように元気に返事をした。
「いい返事だ。エリオット、悪いが今からシルファの部屋について行ってくれ。荷物をここへ運んでしまおう」
「えっ!?」
「承知いたしました。シルファ様、行きましょう」
「え、あ、待ってください……!」
突拍子もないことばかり言うルーカスに目を剥きながら、涼しい顔でスタスタと扉に向かうエリオットの背を慌てて追いかけた。
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