戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました
「戻りました」
「おう、早かったな」
執務室に足を踏み入れると、ルーカスはデスクに向かっていた。デスクチェアに浅く腰掛け、足をプラプラさせながらものすごい速さでペンを走らせている。
もう随分と遅い時間だと言うのに、まだ仕事をするつもりなのか。
「この人は仕事人間ですから。放っておけば、寝食を忘れて研究に没頭することがあります。私が言ってもなかなか言うことを聞きませんが、きっとシルファ様のお願いであれば素直に聞くと思いますよ。どうか、この魔術バカをよろしくお願いします」
「随分な言いようだな」
「何か間違っておりましたか?」
「うるさい」
テンポのいい掛け合いに、シルファは思わず吹き出した。
ルーカスは驚いたように手元の設計図から顔を上げてシルファを見た。そして視線がシルファの手元で止まり、黄金色の瞳が大きく見開かれた。
「それは……」
「さあ、寝室はこちらです。ご案内します」
「あ、ありがとうございます」
ルーカスが何か言おうと口を開いた気がするが、エリオットは構わずに部屋を横切り続き部屋の扉を開けた。目で促されて慌てて後を追いかける。
部屋に入ると、エリオットにより室内のランプが灯され、寝室の全容が浮かび上がる。
キングサイズの大きなベッドがドン、と配置され、枕元にサイドテーブルが置かれている。その他にはクローゼットがあるだけの簡素な部屋だった。ベッドやランプ、絨毯や壁紙には高級感が滲み出ているが。
エリオットはクローゼットの前にシルファのトランクを下ろした。
「おう、早かったな」
執務室に足を踏み入れると、ルーカスはデスクに向かっていた。デスクチェアに浅く腰掛け、足をプラプラさせながらものすごい速さでペンを走らせている。
もう随分と遅い時間だと言うのに、まだ仕事をするつもりなのか。
「この人は仕事人間ですから。放っておけば、寝食を忘れて研究に没頭することがあります。私が言ってもなかなか言うことを聞きませんが、きっとシルファ様のお願いであれば素直に聞くと思いますよ。どうか、この魔術バカをよろしくお願いします」
「随分な言いようだな」
「何か間違っておりましたか?」
「うるさい」
テンポのいい掛け合いに、シルファは思わず吹き出した。
ルーカスは驚いたように手元の設計図から顔を上げてシルファを見た。そして視線がシルファの手元で止まり、黄金色の瞳が大きく見開かれた。
「それは……」
「さあ、寝室はこちらです。ご案内します」
「あ、ありがとうございます」
ルーカスが何か言おうと口を開いた気がするが、エリオットは構わずに部屋を横切り続き部屋の扉を開けた。目で促されて慌てて後を追いかける。
部屋に入ると、エリオットにより室内のランプが灯され、寝室の全容が浮かび上がる。
キングサイズの大きなベッドがドン、と配置され、枕元にサイドテーブルが置かれている。その他にはクローゼットがあるだけの簡素な部屋だった。ベッドやランプ、絨毯や壁紙には高級感が滲み出ているが。
エリオットはクローゼットの前にシルファのトランクを下ろした。