戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました
「はあ、そうなる前に君を救い出すことができて、本当に良かった」
「はい、本当にありがとうございます。ルーカス様のおかげで、末端ながらも大好きな魔導具に関わることができています。私には遠い世界だったものが、今では日常の一部になっています。ルーカス様がいなければ、今の私はいなかったでしょう。あなたが私の世界を広げてくれたんですよ」
そう微笑みかけると、ルーカスはすっくと立ち上がり、シルファの前に立った。ベッドに腰掛けているシルファと、ちょうど視線の高さが同じぐらいになる。
ジッと見つめ返していると、ルーカスは愛おしげにシルファの頬を撫で、背中に腕を回してギュッと抱き寄せた。
「ル、ルーカス様っ!?」
カッと顔が熱くなり、目を白黒させるシルファを閉じ込めるように、ルーカスは腕の力を強める。
「始まりこそ互いの利のためだったが、シルファの魔導具に対する姿勢やひたむきさ、優しさに触れているうちに、俺はいつの間にか心から安らいでいる自分に気づいた。共に時間を重ねているうちに、どうしようもなく――シルファを大切に想うようになっていた。直接的な言葉は、元の姿に戻るまで言うまいと自らに課しているのだが……俺の気持ちは、きちんと君に伝わっているだろうか」
少し掠れた声で囁かれた熱い吐息が耳元をくすぐる。
ルーカスはいつだってシルファに誠実だ。
毎日一緒に時間を重ねてきて、シルファは確かに彼の愛情を感じている。それは単にシルファを利用するためのものではなく、心からの気持ちであるとそう信じている。
それに、シルファの中で芽吹いていた彼への想いは、とっくに胸いっぱいに咲き誇っている。
「……はい」
(私は、ルーカス様をお慕いしています)
続く言葉は胸の内にしまい込む。ルーカスが元の姿に戻った時、きっと言葉にして伝えよう。
今はせめて、シルファの気持ちが伝わるようにとルーカスを抱き締め返す。
少し早い互いの鼓動が溶け合って、心地いい。
「はい、本当にありがとうございます。ルーカス様のおかげで、末端ながらも大好きな魔導具に関わることができています。私には遠い世界だったものが、今では日常の一部になっています。ルーカス様がいなければ、今の私はいなかったでしょう。あなたが私の世界を広げてくれたんですよ」
そう微笑みかけると、ルーカスはすっくと立ち上がり、シルファの前に立った。ベッドに腰掛けているシルファと、ちょうど視線の高さが同じぐらいになる。
ジッと見つめ返していると、ルーカスは愛おしげにシルファの頬を撫で、背中に腕を回してギュッと抱き寄せた。
「ル、ルーカス様っ!?」
カッと顔が熱くなり、目を白黒させるシルファを閉じ込めるように、ルーカスは腕の力を強める。
「始まりこそ互いの利のためだったが、シルファの魔導具に対する姿勢やひたむきさ、優しさに触れているうちに、俺はいつの間にか心から安らいでいる自分に気づいた。共に時間を重ねているうちに、どうしようもなく――シルファを大切に想うようになっていた。直接的な言葉は、元の姿に戻るまで言うまいと自らに課しているのだが……俺の気持ちは、きちんと君に伝わっているだろうか」
少し掠れた声で囁かれた熱い吐息が耳元をくすぐる。
ルーカスはいつだってシルファに誠実だ。
毎日一緒に時間を重ねてきて、シルファは確かに彼の愛情を感じている。それは単にシルファを利用するためのものではなく、心からの気持ちであるとそう信じている。
それに、シルファの中で芽吹いていた彼への想いは、とっくに胸いっぱいに咲き誇っている。
「……はい」
(私は、ルーカス様をお慕いしています)
続く言葉は胸の内にしまい込む。ルーカスが元の姿に戻った時、きっと言葉にして伝えよう。
今はせめて、シルファの気持ちが伝わるようにとルーカスを抱き締め返す。
少し早い互いの鼓動が溶け合って、心地いい。