戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました
「ほら、シルファ。これは君が最初に使ってみるべきだ」
「すごい……」
回路を刻み終えた羽ペンを恐る恐る受け取る。ルーカスが用意していた紙にクルクルッと無数の円を描いていく。
(ペン先にインクをつけていないのに書ける……それに、いくら書き続けていてもインクがなくなる気配がないわ)
これは、大成功ではないだろうか。
思わずルーカスの様子を窺うと、彼はこれまで見てきた中で一番優しい笑みを浮かべてシルファを見つめてくれていた。
「よく頑張った」
ワシワシと頭を撫でられ、ジンと胸の奥が熱くなる。
もちろん、この魔導具はシルファ一人の力では作り上げることができなかった。
シルファがアイデアを出し、ルーカスとエリオットが技術的な指摘をしてくれて、三人で試行錯誤を重ねて出来上がった魔導具だ。
けれど、何も生み出すことができないと言われてきたシルファが初めてこの世に生み出したもの。
「仕組みはシンプルだが、きっと需要はある。特許を申請して実用化を目指そう」
「は、はい!」
ルーカスも実際に羽ペンの使用感を確認し、満足げに笑みを深めた。意外なことに一番感動していたのはエリオットで、日々書類仕事に追われている彼にとってはかなり画期的なアイテムとなったようだ。
「さて、発案者であるシルファ、君の証を魔導具に記そう」
「え?」
羽ペンを色んな角度から見て感傷に浸っていたシルファはキョトンと目を瞬いた。
「すごい……」
回路を刻み終えた羽ペンを恐る恐る受け取る。ルーカスが用意していた紙にクルクルッと無数の円を描いていく。
(ペン先にインクをつけていないのに書ける……それに、いくら書き続けていてもインクがなくなる気配がないわ)
これは、大成功ではないだろうか。
思わずルーカスの様子を窺うと、彼はこれまで見てきた中で一番優しい笑みを浮かべてシルファを見つめてくれていた。
「よく頑張った」
ワシワシと頭を撫でられ、ジンと胸の奥が熱くなる。
もちろん、この魔導具はシルファ一人の力では作り上げることができなかった。
シルファがアイデアを出し、ルーカスとエリオットが技術的な指摘をしてくれて、三人で試行錯誤を重ねて出来上がった魔導具だ。
けれど、何も生み出すことができないと言われてきたシルファが初めてこの世に生み出したもの。
「仕組みはシンプルだが、きっと需要はある。特許を申請して実用化を目指そう」
「は、はい!」
ルーカスも実際に羽ペンの使用感を確認し、満足げに笑みを深めた。意外なことに一番感動していたのはエリオットで、日々書類仕事に追われている彼にとってはかなり画期的なアイテムとなったようだ。
「さて、発案者であるシルファ、君の証を魔導具に記そう」
「え?」
羽ペンを色んな角度から見て感傷に浸っていたシルファはキョトンと目を瞬いた。