隼翔くんの好きな人
「流石に暑すぎない?もう10月なんだけど!」
「それなー!ブレザーなんか着てらんないよ!」
今日も教室の中は会話で溢れてる。
廊下側の一番後ろにある自分の席に座って、クラスの様子をこっそり伺う。
このクラスは皆凄く仲が良い。
時々廊下で他のクラスの子達が羨ましそうにしてるのを知ってる。
そしてそんな素敵なクラスの中心にいるのは、いつも同じ男の子。
「隼翔、英語の予習やった?」
「やってない。昼休みにやろうと思ってさ」
「だよなー。一緒にやろうぜ」
―――井崎 隼翔くん。
よく似合う教室の真ん中の席に座る彼の周りにはいつもたくさんの人がいる。
「ねえ隼翔ー、文化祭の準備ヤバいんだけど」
「やばいって?こないだミニゲームにするって決めたじゃん」
「決めたよ?準備全然進んでないけど!」
5人くらいの女の子達が井崎くんのところへ集まっていく。