上司のくちづけは甘いスイーツのあとで。
──────ギュッと。
私を覆っている柏葉部長の長い腕。
この感覚は子供の頃の懐かしい記憶と似てる。
そう、これはきっと........................
「............パパと一緒みたいで、頑張れます、」
小さい頃、自転車になかなか乗れなくって。
やっと、自転車に乗れたのが小学4年生のとき。
その時まで、何度もパパは抱きしめてくれた。
「............パパ、ね。
パパの前なら、ちゃんと弱音とか吐いてね」
「............いつか、乗れると信じて頑張ります、」
「うん。頑張って」
いつしか、断る隙を与えられず。
自電車に乗れなかった、
悔しい気持ちを思い出しながら。
ポンコツ平社員の私が、
────新企画を部長と頑張ることになった。