上司のくちづけは甘いスイーツのあとで。


「ん。いーよ、」



今まで聞いた、
柏葉部長の声の中でいちばんの低音。



その声が聞こえたかと思えば。



──────ギュッと。



あっという間に、
柏葉部長の体温に包まれて。



「あさちゃん、かわいーね、ほんと」



柏葉部長の、
うんと甘い声が聞こえてきた直後。



「〜〜っ、ぇっと、頬っぺた、」



私も予想外の、
頬っぺたに落ちてきた柔らかい温もり。



びっくりして、柏葉部長を見ていると............



「うん。あさちゃん、
こーいうの慣れてないだろうし、
これからも、仕事頑張ったあとは、
こんな風に、どこかにくちづけするから」

「〜〜っ、お、お手柔らかにお願いします、」

「ん。これからは、〝恋人〟として宜しく」



柏葉部長のその言葉は。



これからも、仕事を頑張るたびに。



ご褒美は甘いくちづけだという、
──────私と柏葉部長だけの、甘い約束。





fin.
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