過保護な彼はズルくて甘くてやさしくて
「じゃあもう私、龍平くんと結婚する……」
「俺はそのつもり」
投げやりになって零すと、ホールケーキを切り分けながら龍平くんがあっさりすごいことを言った。
私がびっくりすると、フォークにくるくる巻こうとしてたパスタもびっくりしたようにほどけていく。
ナイフについた生クリームを指先ですくって、当たり前のように龍平くんは私の口元へとそれを運ぶ。
その指先のクリームを舐めとるのも特別なこととは思わないくらには、彼を家族みたいに思ってた。
「美味しい?」
「うん……」
今、なんだかとんでもない会話をした気がするけれど気のせいだったろうか。
そう戸惑うくらいには、龍平くんはいつもの龍平くんすぎて私だけ調子が狂う。
ケーキを皿に取り分けて、彼がキッチンへナイフを片付けて戻ると、リボンのついた大きな紙袋を差し出された。
「はい、誕生日プレゼント」
「え……開けてもいい?」
「もちろん」
会話の展開から指輪でも渡されるのかと思ったけれど、プレゼントのサイズ感はそれとは違って大きい。
ますますさっき交わした会話が幻のように思えてくる気がした。
「俺はそのつもり」
投げやりになって零すと、ホールケーキを切り分けながら龍平くんがあっさりすごいことを言った。
私がびっくりすると、フォークにくるくる巻こうとしてたパスタもびっくりしたようにほどけていく。
ナイフについた生クリームを指先ですくって、当たり前のように龍平くんは私の口元へとそれを運ぶ。
その指先のクリームを舐めとるのも特別なこととは思わないくらには、彼を家族みたいに思ってた。
「美味しい?」
「うん……」
今、なんだかとんでもない会話をした気がするけれど気のせいだったろうか。
そう戸惑うくらいには、龍平くんはいつもの龍平くんすぎて私だけ調子が狂う。
ケーキを皿に取り分けて、彼がキッチンへナイフを片付けて戻ると、リボンのついた大きな紙袋を差し出された。
「はい、誕生日プレゼント」
「え……開けてもいい?」
「もちろん」
会話の展開から指輪でも渡されるのかと思ったけれど、プレゼントのサイズ感はそれとは違って大きい。
ますますさっき交わした会話が幻のように思えてくる気がした。