過保護な彼はズルくて甘くてやさしくて
 確かにそうだ。
 龍平くんにとって、私の優先順位はいつだってトップクラスに置かれている。
 じゃきなきゃ今までこんなにもかわいがってくれることも、世話を焼いてくれることも、尽くしてくれることも、説明がつかないことばかりだ。

「エ、エッチなことも考えられる……?」
「ひとりでするときに紗也のことしか考えてないくらいには」

 聞いた私も私だけど、さらりと返ってくる答えも直球すぎて恥ずかしくなり、手にしてたルームウェアで思わず顔を覆う。

「想像した?」

 私の髪を撫でて、龍平くんが耳元で囁く。
 言われたように想像してしまった自分が恥ずかしくて、耳まで熱い。
 
「龍平くんズルい……」
「うん。俺ズルいよ?紗也のこと絶対に欲しかったから。紗也の家族に信用つくって、紗也に虫がつかないように注意払って、紗也が俺を選ぶしかなくなるまで外堀埋めるくらいには」
「ズルい」
「嫌いになった?」
「龍平くんのこと、嫌いになんてなれない……」
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