叶わぬ想いは記憶の底に 兄妹だからこの想いは諦めないとダメですか?(マンガシナリオ)
4.キャプテン
〇高校・陸上競技場・部室 中
横断幕や千羽鶴、賞状がごちゃごちゃ飾られ、段ボールが山積み、埃を被った箱も整頓されずに置かれた部屋。
美咲、入口近くの壁から女子更衣室の鍵を取る。
美咲、部室の奥に置かれた団体優勝のトロフィーに近づく。
トロフィーの隣にラミネートされた写真:トロフィーを持った優馬と顧問を含めた複数人。
美咲「お兄ちゃんだ」
美咲、トロフィーと同じ年の大会記録のファイルを棚から探す。
美咲、埃が被った箱の上でファイルを広げる。
ファイルの内容『鈴村優馬 2-A 春季 地区予選 1000m優勝』(他複数人の記録が続く)
『鈴村優馬 2-A 春季 県大会 1000m 優勝』(他複数人の記録が続く)
『鈴村優馬 2-A 春季 関東大会 1000m優勝』
美咲「春季 全国準優勝!?」
美咲、数ページ捲る。
2年の夏の大会、地元駅伝などたくさんの記録が続く。
3年春の記録までは優馬の名前があるが、3年夏の大会に優馬の名前がない。
美咲「由衣が怪我って言ってたけど」
女子生徒A「鍵まだ〜?」
美咲「あ、すぐ行きます」
美咲、慌ててファイルを棚にしまう。
美咲、部室を出る。
〇高校・陸上競技場 中
部活Tシャツに短パンの生徒たち。
各自ストレッチをし、自分のペースで練習開始。
ハードルの準備、高跳びの準備がされていく。
美咲、座りながらスパイクの紐を固く締める。
由衣、美咲の横で準備運動。
髙橋大翔(18)、美咲の後ろから近づく。
大翔「鈴村、事故ったって聞いたけど大丈夫か?」
美咲、振り向く。
美咲「転んだだけなんです」
大翔「無理すんなよ」
大翔、美咲の頭にポンと手を置き、去る。
美咲「あっ、ありがとうございます」
美咲、大翔の後ろ姿を眺める。
大翔、他の子にも声をかけていく。
由衣「髙橋先輩って、カッコいいいいよね……」
由衣、大翔をずっと目で追っている。
美咲、立ち上がり数回ジャンプする。大翔を見ている由衣の背中を揶揄うように叩くと、走路の方に歩く。
美咲、走路の中の芝生で手首回し、足首回した旋回と準備運動をする。
先に走り出している部員たちが走路を通過。
美咲、高跳びの場所で大翔と笑顔で話す由衣を見て微笑む。
美咲、走路をゆっくり走り出す。
〇高校・陸上競技場 中(夕)
片付けをする部員たち。
美咲、フェンス側に立ち、タオルで顔の汗を拭いながら水をがぶ飲み。
美咲「ふぅ〜」
美咲、タオルを肩にかけ、空のペットボトルを置くついでに屈伸やアキレス腱を伸ばす動作をする。
美咲、左足のふくらはぎを触りながら座り込む。
大翔、美咲に駆け寄り、しゃがむ。
大翔「痛いのか?」
大翔、美咲の左足の靴紐を解き、靴を脱がせる。つま先をゆっくりと足首のほうに押す。
大翔「水よりスポーツドリンクを飲んだ方がいいぞ」
美咲「このあと飲もうと思ってました」
大翔、何度も美咲のつま先を動かす。
大翔「待っていろ」
大翔、自分のスポーツドリンクを取りに行き、美咲に渡す。
美咲「自分のがあるので大丈夫ですよ?」
大翔「いいから飲め」
美咲、ためらいながらキャップを開けて飲む。
大翔、美咲の足をマッサージする。
美咲「あの、髙橋先輩、もう大丈夫なので」
大翔、マッサージを続ける。
由衣、口を横に固く閉じながら大翔と美咲を見つめる。
大翔「無理するなって言っただろ」
美咲「すみません」
大翔、美咲の頭に手をポンと置き立ち上がる。
美咲「ありがとうございました」
大翔、手を軽く上げて片付けをしている部員のもとへ歩く。
優馬、少し離れたフェンスの外(駐車場)から美咲を見ている。
美咲、左足の靴を履いて立ち上がり、更衣室に向かって歩く。
由衣、美咲から目を逸らす。
美咲「え?」
由衣、美咲を避けるように去る。
横断幕や千羽鶴、賞状がごちゃごちゃ飾られ、段ボールが山積み、埃を被った箱も整頓されずに置かれた部屋。
美咲、入口近くの壁から女子更衣室の鍵を取る。
美咲、部室の奥に置かれた団体優勝のトロフィーに近づく。
トロフィーの隣にラミネートされた写真:トロフィーを持った優馬と顧問を含めた複数人。
美咲「お兄ちゃんだ」
美咲、トロフィーと同じ年の大会記録のファイルを棚から探す。
美咲、埃が被った箱の上でファイルを広げる。
ファイルの内容『鈴村優馬 2-A 春季 地区予選 1000m優勝』(他複数人の記録が続く)
『鈴村優馬 2-A 春季 県大会 1000m 優勝』(他複数人の記録が続く)
『鈴村優馬 2-A 春季 関東大会 1000m優勝』
美咲「春季 全国準優勝!?」
美咲、数ページ捲る。
2年の夏の大会、地元駅伝などたくさんの記録が続く。
3年春の記録までは優馬の名前があるが、3年夏の大会に優馬の名前がない。
美咲「由衣が怪我って言ってたけど」
女子生徒A「鍵まだ〜?」
美咲「あ、すぐ行きます」
美咲、慌ててファイルを棚にしまう。
美咲、部室を出る。
〇高校・陸上競技場 中
部活Tシャツに短パンの生徒たち。
各自ストレッチをし、自分のペースで練習開始。
ハードルの準備、高跳びの準備がされていく。
美咲、座りながらスパイクの紐を固く締める。
由衣、美咲の横で準備運動。
髙橋大翔(18)、美咲の後ろから近づく。
大翔「鈴村、事故ったって聞いたけど大丈夫か?」
美咲、振り向く。
美咲「転んだだけなんです」
大翔「無理すんなよ」
大翔、美咲の頭にポンと手を置き、去る。
美咲「あっ、ありがとうございます」
美咲、大翔の後ろ姿を眺める。
大翔、他の子にも声をかけていく。
由衣「髙橋先輩って、カッコいいいいよね……」
由衣、大翔をずっと目で追っている。
美咲、立ち上がり数回ジャンプする。大翔を見ている由衣の背中を揶揄うように叩くと、走路の方に歩く。
美咲、走路の中の芝生で手首回し、足首回した旋回と準備運動をする。
先に走り出している部員たちが走路を通過。
美咲、高跳びの場所で大翔と笑顔で話す由衣を見て微笑む。
美咲、走路をゆっくり走り出す。
〇高校・陸上競技場 中(夕)
片付けをする部員たち。
美咲、フェンス側に立ち、タオルで顔の汗を拭いながら水をがぶ飲み。
美咲「ふぅ〜」
美咲、タオルを肩にかけ、空のペットボトルを置くついでに屈伸やアキレス腱を伸ばす動作をする。
美咲、左足のふくらはぎを触りながら座り込む。
大翔、美咲に駆け寄り、しゃがむ。
大翔「痛いのか?」
大翔、美咲の左足の靴紐を解き、靴を脱がせる。つま先をゆっくりと足首のほうに押す。
大翔「水よりスポーツドリンクを飲んだ方がいいぞ」
美咲「このあと飲もうと思ってました」
大翔、何度も美咲のつま先を動かす。
大翔「待っていろ」
大翔、自分のスポーツドリンクを取りに行き、美咲に渡す。
美咲「自分のがあるので大丈夫ですよ?」
大翔「いいから飲め」
美咲、ためらいながらキャップを開けて飲む。
大翔、美咲の足をマッサージする。
美咲「あの、髙橋先輩、もう大丈夫なので」
大翔、マッサージを続ける。
由衣、口を横に固く閉じながら大翔と美咲を見つめる。
大翔「無理するなって言っただろ」
美咲「すみません」
大翔、美咲の頭に手をポンと置き立ち上がる。
美咲「ありがとうございました」
大翔、手を軽く上げて片付けをしている部員のもとへ歩く。
優馬、少し離れたフェンスの外(駐車場)から美咲を見ている。
美咲、左足の靴を履いて立ち上がり、更衣室に向かって歩く。
由衣、美咲から目を逸らす。
美咲「え?」
由衣、美咲を避けるように去る。