おねだり上手な羽賀くん。
【01.】今日も今日とて、助けられてます
「由羽ちゃん、ここ間違ってる」
「ひっ、ぅ、わっ、!」
いつもと変わらない放課後の生徒会室。
私、織江由羽は、
たった今、背後から〝間違い〟を私的された。
その背後からの声に、
素直に驚いて資料を確認してみると............
「............学校に1500万はないよ、由羽ちゃん」
「うぅ、羽賀くん、気づくの早すぎ、」
いつも、気づくのが早すぎる羽賀くんこと。
羽賀柊生くんは。
年に4回行われる学校の定期テストでも、
いつも1位の私に続く2位という実力。
でも、私より早く、ミスに気づくのを、
いつも見ていると、羽賀くんが生徒会長をやるべきでは......?と何度も思ってきて1年以上が経った。
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