おねだり上手な羽賀くん。
私まで、つられて頬が熱くなるのがわかる。
「〜〜っ、」
(やばい、やばい、やばい、
こんな羽賀くん、見たことないよ.........っ、)
そう、心の中で思うだけで、
羽賀くんに、何も言えずにいると。
「...............っ、ね、由羽ちゃん、」
「〜〜っ、はい、なんでしょう、」
「これ、あげるから、お願いある」
出たっ、羽賀くんの〝おねだり〟
でも、こんな帰り際で、
〝おねだり〟されたことは初めてで。
飴を持っているかわいいクマちゃんを、
素直に受け取りながら。
(〜〜っ、なんだろうっ?)
心の中でそう思って、
ドキドキという胸をギュッと抑えたとき。
羽賀くんがほんの少し私に近寄ってきて............