おねだり上手な羽賀くん。
私の耳元に顔を寄せてきた羽賀くん。
そして..............................
「ね、由羽ちゃん、
今日は、手繋いで帰りたい」
今まで、頼まれたことのない種類の、
特殊な、〝おねだり〟が聞こえてきた。
私と羽賀くんは付き合ってるワケじゃない。
だけど、こうやって放課後に、
2人で寄り道するのは、当たり前になってきて。
でも、きっとお互いに感じてたこと。
どこかで、越えずにいた一線。
(たぶん、これに頷いたら、羽賀くんと、
ただの友達じゃいられなくなる.........っ、)
そんなことは、
頭でも心でも、ちゃんと分かっているのに。