おねだり上手な羽賀くん。


私の耳元に顔を寄せてきた羽賀くん。



そして..............................

 

「ね、由羽ちゃん、
今日は、手繋いで帰りたい」



今まで、頼まれたことのない種類の、
特殊な、〝おねだり〟が聞こえてきた。



私と羽賀くんは付き合ってるワケじゃない。



だけど、こうやって放課後に、
2人で寄り道するのは、当たり前になってきて。



でも、きっとお互いに感じてたこと。



どこかで、越えずにいた一線。



(たぶん、これに頷いたら、羽賀くんと、
ただの友達じゃいられなくなる.........っ、)



そんなことは、
頭でも心でも、ちゃんと分かっているのに。


< 18 / 42 >

この作品をシェア

pagetop