おねだり上手な羽賀くん。


(〜〜っ、他の子に取られたら、やだっ、)



もやもやと渦巻くくだらないヤキモチ。



その気持ちが勝ってしまって..................



「〜〜っ、私も、繋ぎたいっ、」



ギュッと固く目を瞑って、伝えてしまった。



すると..............................



「.........っ、やばっ。由羽ちゃんは、
いっつも、俺を喜ばせる天才だね」



羽賀くんのそんな言葉が聞こえてきた直後。



程よい力加減で、
──────ギュッと握られた手。



今までの私と羽賀くんなら、
こんなことになるなんて予想もしてなかったのに...............っ。



ヤキモチで、もやもやした気持ちが、
ほんの少しだけ、軽くなるぐらい。



羽賀くんと初めて、
手を繋げたことが、嬉しくてたまらなくて。



羽賀くんはモテモテだって、頭では分かってるけど。



そんな羽賀くんの隣で私は、
───ドキドキすることをやめられなかった。


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