おねだり上手な羽賀くん。


〝おねだり〟される時の表情が、
あまりにも素敵な笑顔過ぎて。



羽賀くんの顔を見るだけで、簡単に思考は鈍る。



でも、今日の〝おねだり〟は、
この前の、手を繋ぐ、よりも格段に上。



簡単に受け入れて良いとも思えないのに。



「〜〜っ、ぃぃ、よ、」



ほら、今日もまた。



「ん。ちょっとだけだから、抱きしさせて」



羽賀くんの〝おねだり〟に抗えなくて。



──────ギュッと、
羽賀くんの優しい体温で抱きしめられたと同時。



手を繋いだ時よりも、甘い感覚に包まれた。



それと同時に渦巻くのは、
〝羽賀くんの彼女になりたい〟なんて思う自分。



今まで、想像してもいなかったのに。



羽賀くんの甘いおねだりは、
──────私を、もっと欲張りにさせた。


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