おねだり上手な羽賀くん。


***



「何があったか知らないけど、
これでちゃんと冷やしなさいよ」

「.........、はい、すみません、」



羽賀くんを見てから、
目が腫れるほど泣いてしまった私は。



すみちゃんに促されて保健室へとやってきた。



そして、たった今、机の隣にある、
小さな丸椅子に腰掛けて、保冷剤を貰ったところで。



「先生達、これから緊急の職員会議あるから、
落ち着いたら冷蔵庫に保冷剤入れて教室戻ってね」

「......、あ、はぃ、」



保健室の養護教諭の先生は、
そのまま、私を置いて保健室を出て行ってしまった。



.....................それにしても、面目ない。



今まで1度も来たことのない保健室に、
こんな形で来ることになるなんて。


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