おねだり上手な羽賀くん。


思わず頷いていると。



「俺が副会長になったのは、由羽ちゃんのため
だから、ご褒美くれないかなー、なんて」



熱い瞳、甘い言葉でそう言う羽賀くん。



羽賀と私の間は、もうわずか5センチ。



(〜〜っ、この状況で、
この羽賀くんの顔はもうやばいっ、)



手を抜いても、学年2位の成績で。



おねだり上手な羽賀くんの、
〝おねだり〟を断る技術なんて私は持ち合わせてない。



だから..............................



「〜〜っ、断れない顔しないでっ!」



いまの私には、
そう言うのが精一杯で真っ赤になっていると。



「ん。断らないと思ってた」



羽賀くんの、
甘い吐息と共に、甘い声が聞こえて来た同時。



「............んっ、」



ふわりと、優しく塞がれたくちびる。



そのキスで、
私は、おねだり上手な羽賀くんに、
一生敵わないと、確信したのは言うまでもない。





fin.

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