青空
テツオはそれを悟ると、観念したかのように息を吐いた。
「いいんだ。お前も含めて一生懸命頑張っているっていうのに、俺だけわがままを言うわけにはいかないよ。」
テツオのその言葉を聞くと、尾上は無言で立ち上がった。
そして窓辺に立つと、その桟に両手を乗せ、尾上たち医学部の学生や教授の診察を待つ民衆の列を見下ろした。
「この隔離された地域には、もう薬なんてないというのに、これだけの人々が、自分が恐ろしい感染症にかかっていないか不安に思っている。」
テツオはそう言う尾上の後姿を見ながら、小さく頷いた。
「お前だってその大怪我だ。俺だって、あの爆発で吹っ飛んだガラスの破片で、頬に切り傷を負っている。」
「…。」
何も答えないテツオに、尾上は外を見たままその右手を強く握って問いかけた。
「いいんだ。お前も含めて一生懸命頑張っているっていうのに、俺だけわがままを言うわけにはいかないよ。」
テツオのその言葉を聞くと、尾上は無言で立ち上がった。
そして窓辺に立つと、その桟に両手を乗せ、尾上たち医学部の学生や教授の診察を待つ民衆の列を見下ろした。
「この隔離された地域には、もう薬なんてないというのに、これだけの人々が、自分が恐ろしい感染症にかかっていないか不安に思っている。」
テツオはそう言う尾上の後姿を見ながら、小さく頷いた。
「お前だってその大怪我だ。俺だって、あの爆発で吹っ飛んだガラスの破片で、頬に切り傷を負っている。」
「…。」
何も答えないテツオに、尾上は外を見たままその右手を強く握って問いかけた。