青空
亜季はテレビのスイッチを切った。


「テツオ君のことじゃな?」

伯父の静かな問いに、亜季は小さく頷いた。

伯父はその様子を見ると、静かに言った。


「なら、テレビはつけっぱなしにしておいたほうが良い。」

亜季は顔を上げて、力なく伯父の顔を見つめた。


「今、テツオ君の容態を知る手段は、テレビしかないじゃろう?」

そう言って伯父は席を立つと、亜季の座る横の丸椅子に腰を下ろした。

そしてテレビに手を伸ばすと、ゆっくりと電源を入れる。


再び店内にはニュースの声が響き渡る。
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