青空
「しかし、特効薬の前に投与した劇薬の副作用が、命取りとなってしまいました。」

そう言うと、尾上は力なく崩れ膝を地面についた。

小さなしずくが飛び、亜季の運動靴に数滴跳ねた。


「すいません…。僕のせいです…。」

尾上は振り絞るように言うと、亜季の前で土下座した。


「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい・・・。」

何度も。

何度も。

尾上は額を地面にこすり付けた。
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