青空
亜季は真夜中の寝台列車の二段ベットの上段で揺られていた。
ぼんやりとしためで、別れ際に半ば強引に渡された一個の薄汚れた野球ボールをじっと見つめる。
その中心に下手な字で書かれた文字を軽く撫でると、亜季は狭い寝台に横になった。
テツオの所属する野球部は、ここ十年近く県大会で一勝もあげることが出来ない弱小チームであった。
でも代々の先輩部員たちは、自分たちが弱いことをよく理解していた。
そのやる気がない先輩を見て代々の後輩も勝利をあきらめる。
そして、必然的のその練習も仲良く楽しいだけのものになっていく。
そんな状態はテツオも高校に入学する前から知ってようであった。
でもテツオは、そんな高校が好きだった。
小さい頃から、近くに住んでいたから、よく練習を見ていたらしい。
憧れ。
そんな正直な思いを1年の頃クラスメイトたちによく語ってた。
でもふとしたとき。
勝利に渇望して、部内に充満する澱んだ空気に沈んだ目をする時があった。
ぼんやりとしためで、別れ際に半ば強引に渡された一個の薄汚れた野球ボールをじっと見つめる。
その中心に下手な字で書かれた文字を軽く撫でると、亜季は狭い寝台に横になった。
テツオの所属する野球部は、ここ十年近く県大会で一勝もあげることが出来ない弱小チームであった。
でも代々の先輩部員たちは、自分たちが弱いことをよく理解していた。
そのやる気がない先輩を見て代々の後輩も勝利をあきらめる。
そして、必然的のその練習も仲良く楽しいだけのものになっていく。
そんな状態はテツオも高校に入学する前から知ってようであった。
でもテツオは、そんな高校が好きだった。
小さい頃から、近くに住んでいたから、よく練習を見ていたらしい。
憧れ。
そんな正直な思いを1年の頃クラスメイトたちによく語ってた。
でもふとしたとき。
勝利に渇望して、部内に充満する澱んだ空気に沈んだ目をする時があった。