眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛


「……っ!」

 ヴェルデはローラを自室に連れ込みドアを閉めると、すぐにローラへ口づけた。

 何度も何度も、執拗に口づける。戸惑い逃げそうになるローラだが、ヴェルデは逃げられないように腰と頭の後ろに手を回していた。

 いつもの優しい口づけとは違い、何かに焦るような苛立つような、乱暴な口づけだ。
 ヴェルデの唇がローラの唇から離れたかと思うと、目が合う。その瞳はドロドロとした感情を溜め込み据わっていた。その瞳を見てローラはヒッと息を呑むが、ヴェルデはきにせずローラの耳や首筋に唇を落とし、手はドレスの中に入り込もうとする。
 優しいヴェルデはどこにもおらず、ただただ荒く乱暴にローラへ襲いかかろうとしていた。

「ヴェルデ様、おやめください……!ヴェルデ様、やめて……お願い、やめて!」

 ローラの声が部屋に鳴り響く。ヴェルデはその声にハッとしてローラの顔を見た。

 顔を赤く染め涙を目にいっぱいためながらヴェルデを見つめているローラ。

「ああ……ごめん、ごめんローラ……本当に……ごめん」

 ヴェルデはローラを力いっぱい抱きしめた。その力は次第に強くなり、このままだとローラは圧死してしまいそうなほどだ。

「ヴェルデ、様、くる、し……」

 ローラのうめき声にヴェルデはハッとして手を離す。

「ヴェルデ……様……」
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