眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
5 戸惑と嫉妬
話は終わり、イヴが帰ろうとする。
「それじゃ。もう二度と会わないことを祈るよ」
「できれば、そうしたいものですね。ですがあなたの兄上たちがローラを狙ってる以上、そちらの動向を逐一調べるつもりですので」
「勝手にどうぞ。本当は協力してあげられればいいんだろうけど……」
そう言って、イヴはローラを見るが、ローラはイヴと目が合ってびくりと肩を震わせた。
エルヴィン本人でないとわかっているのに、顔も声もそっくりなイヴと目が合うと条件反射のように体がこわばってしまう。
「……ごめんなさい」
静かにローラが謝ると、イヴは苦笑した。
「ローラ姫は何も悪くないだろ。そうなってしまうのは仕方のないことだ。それじゃ」
眉を下げて笑うイヴを見て、ローラは胸がざわめく。イヴはエルヴィンではないのに、エルヴィンも笑ったらこんな風だったのだろうかと思ってしまう。
複雑そうなローラの顔を見てヴェルデはまた苛立つような顔になり、顔を伏せた。
イヴの背中を見送り、フェインとヴェルデは目を合わせる。フェインは静かに頷くとイヴのあとを追うようにして歩き出した。
心配そうな顔でローラがヴェルデを見ると、ヴェルデは少し微笑む。
「フェインなら大丈夫だよ。深追いはしないで様子を見るだけだから」
そう言ってローラの手を取り、ヴェルデは屋敷の中へ入っていった。
「それじゃ。もう二度と会わないことを祈るよ」
「できれば、そうしたいものですね。ですがあなたの兄上たちがローラを狙ってる以上、そちらの動向を逐一調べるつもりですので」
「勝手にどうぞ。本当は協力してあげられればいいんだろうけど……」
そう言って、イヴはローラを見るが、ローラはイヴと目が合ってびくりと肩を震わせた。
エルヴィン本人でないとわかっているのに、顔も声もそっくりなイヴと目が合うと条件反射のように体がこわばってしまう。
「……ごめんなさい」
静かにローラが謝ると、イヴは苦笑した。
「ローラ姫は何も悪くないだろ。そうなってしまうのは仕方のないことだ。それじゃ」
眉を下げて笑うイヴを見て、ローラは胸がざわめく。イヴはエルヴィンではないのに、エルヴィンも笑ったらこんな風だったのだろうかと思ってしまう。
複雑そうなローラの顔を見てヴェルデはまた苛立つような顔になり、顔を伏せた。
イヴの背中を見送り、フェインとヴェルデは目を合わせる。フェインは静かに頷くとイヴのあとを追うようにして歩き出した。
心配そうな顔でローラがヴェルデを見ると、ヴェルデは少し微笑む。
「フェインなら大丈夫だよ。深追いはしないで様子を見るだけだから」
そう言ってローラの手を取り、ヴェルデは屋敷の中へ入っていった。