ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
翌日から、面白いほどわかりやすくハブられ始めたあたしを、周りは可哀想な目で見た。

教室の中で目立っていたあたしたちのグループが仲違いしたせいで、気まずい空気が漂っていた。

特に何か嫌がらせをされることはなかったものの、近くを通ればそれだけで馬鹿みたいに笑われた。

何が面白いのか、あたしに聞こえるようにクスクスと、嫌な印象を受ける笑みを浮かべ、それが一番イライラした。

一人じゃ何もできないくせに、束になってかかってくる人間が嫌いだ。

それをよくやってのける、女が嫌いだ。

あたしはその世界から解放されたはずなのに、どうしてだか前よりももっと息苦しい。

教室内で楽しそうにはしゃぐ男のグループを見ても、もう羨ましさなんて感じなかった。

だって、あたしたちと然程変わらないじゃないか。
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