ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
ようやく迎えた金曜日、今日が終われば明日と明後日は休み。

それが嬉しくて一日が終わるのが待ち遠しかった。

毎日毎日居心地は悪いけどこんなのすぐ慣れるし、最近他のグループの女の子たちが少しだけ話しかけてくる。

今まで紗理奈たちのグループにいたから話しかけにくかったけど、本当は前から話してみたかったんだって。

あたしはそれに笑顔で返すけど、調子に乗ってグループに入れてもらおうなんてこと、絶対にしない。

建前を並べてあたしの警戒を解いたつもりかもしれないけど、そんな同情に絆されるほど馬鹿じゃないし、あたしは一人でも三人から潰されない。

上っ面だけの友達なんてもういらない。

本当はそんなの大嫌いなくせに、臆病でそこから出られなかったあたしに、罰が降|《くだ》ったんだ。
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