ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
目が合った途端二人して顔を見合わせ、ニヤリとした笑みを浮かべるとあたしに向かって大股で歩いてきた。

明らかに自分に向かって進んでくるギャル二人を見て、思わず足を止めてしまったのがダメだった。

いや、止めていようが止めていまいが、どちらにしても同じだっただろう。


「久しぶり。ちょっと話があるんだけど、ついてきてくれない?」

あの頃と変わらない金髪のショートカットに、不自然なエクステをつけてその境目がはっきりわかる。

「ねぇ、ミヤ。聞いてる? こっち、来て」

ベースを金髪にところどころピンクのメッシュを入ったもう一人の女は、長い前髪をかき上げながらあたしの腕を掴んできた。

カナミさんと、マリさんだ。
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