ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
連れてこられた先は、本当に公園だった。

公園といっても遊具なんかは一つもなく、砂場とベンチ、それと砂利が敷き詰められた広場。

見渡してみたけど男の姿はなく、少しだけホッとした。

そこに着いた途端乱暴に手を離され、その反動でよろけたあたしはカナミさんにぶつかってしまった。

「った。ミヤ、誰に手上げてんの?」

「……え」

「カナミのこと殴ったの? じゃあ、うちらもやり返していいよね? 先に手出したのは、そっちだもんね?」

何を言っても無駄だと思った。

話をするなんてただの口実で、話があったとしても遅かれ早かれこうなっていたに違いない。

人生で二度目の暴力に、歯を食いしばった。

マリさんがあたしのお腹を蹴飛ばし、その反動で砂場に倒れこんだのが、始まりの合図だった。
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