ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
どちらからどれだけ殴られたか、なんてわからない。

次々に飛んでくる殴打の嵐に、あたしは痛みを感じる暇もない。

二人が疲れたのかしばらく間をあけてから、殴られるときが一番痛い。

かかとが当たるように顔を蹴り上げられ、頬骨にヒールが当たり思わず手で抑えると、ヌルッとした生温いものに触れた。

いつまで続くのかは二人次第。

あたしはこのまま二人のサンドバッグにされて、気がすむのを待っていればいい。

けど、付け上がるな。

絶対にむせび泣いて謝って、許しを請うなんて情けない真似しない。

だってあたしは悪くない。

悪いのはお前らだ。

お前ら二人とも、地獄に落ちろーー‼︎
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