ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
どれだけ時間が経ったのか、ようやく止んだ暴力のおかげで、周りの音がよく聞こえた。

薄っすらと目を開けると、あたしを見下ろすカナミさんとマリさんの他に、三人増えていた。

紗理奈と、彩美と、七海。

砂場に血を流しながら倒れこんでいるあたしを見て、怯えたような顔であたしを見ていた。

そこでさっきのマリさんの言葉が、ようやく理解できた気がした。

ここまでされると思ってなかった?

アンタたちなんでしょ?

あたしをハメたのは、アンタたちでしょ?

「ねぇ、紗理奈。コイツ、あたしらのこと何て言ってたんだっけ?」

「えっ、あの、昔自分のことを、ボコボコにしようとした先輩がいて、返り討ちにしてやったって……」

「うける。袋叩きにされたのお前じゃん。で? 他にも、うちらのことブスとか大したことないとか、言ってたんだよねぇ?」


こんなことになるなんてわからなかった、そんな言葉じゃ、済まさない。
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