ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
「そっ、そうなんです! 興味ないふりして、男好きなんですよ。コジローさんに取り入ろうとしてっ」
「そうなの? ミヤ」
「……」
あたしがここで何を言ったって、この状況が打開できるわけがない。
殴られたせいで喋る事も億劫だし、こんな惨めな状態になって今更悪足掻きなんてカッコ悪い。
何より、面倒くさいしもうどうでもいい。
「この前っ、ドラトラに行ったときコジローさんに会って、言ってたんだから! どうして二階に上がったとき、コジローさんとリューノスケさんに会ってないって嘘ついたの?」
「……」
「コジローさんにミヤのこと相談したら、コジローさんミヤのこと幻滅してたよ。残念だったね。取り入ろうと頑張ってたのに!」
トラは、そんな奴じゃない。
紗理奈のキンキンした声が頭の中を巡る中、それだけを思った。
「そうなの? ミヤ」
「……」
あたしがここで何を言ったって、この状況が打開できるわけがない。
殴られたせいで喋る事も億劫だし、こんな惨めな状態になって今更悪足掻きなんてカッコ悪い。
何より、面倒くさいしもうどうでもいい。
「この前っ、ドラトラに行ったときコジローさんに会って、言ってたんだから! どうして二階に上がったとき、コジローさんとリューノスケさんに会ってないって嘘ついたの?」
「……」
「コジローさんにミヤのこと相談したら、コジローさんミヤのこと幻滅してたよ。残念だったね。取り入ろうと頑張ってたのに!」
トラは、そんな奴じゃない。
紗理奈のキンキンした声が頭の中を巡る中、それだけを思った。