ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
「コジローさん、ですよね? コジローさんには関係ありません!」
「うん、そうだな。関係ない。でも、こんな場面目の当たりにして、しかもコイツが知り合いだから、見逃すわけにもいかねぇだろ?」
マリさんが果敢にもトラに食ってかかり、だけどトラはそんなマリさんを相手にしない。
マリさんを宥めるように落ち着いた声を出し、全身で自分はお前たちを責めているわけじゃないと、そうアピールしていた。
「こんだけボロボロにされたら、コイツも反省しただろうし。俺の顔、立ててくんねぇ?」
「……カナミ」
マリさんがどうするのか、カナミさんに窺うように名前を呼んだ。
ここまでくれば、もう悪魔の勝ちだ。
「……わかりました。あの……」
「心配すんな。別に何かやり返そうなんて思ってねぇよ。ただ、もうコイツには手出すな。な? 俺からのお願い」
「うん、そうだな。関係ない。でも、こんな場面目の当たりにして、しかもコイツが知り合いだから、見逃すわけにもいかねぇだろ?」
マリさんが果敢にもトラに食ってかかり、だけどトラはそんなマリさんを相手にしない。
マリさんを宥めるように落ち着いた声を出し、全身で自分はお前たちを責めているわけじゃないと、そうアピールしていた。
「こんだけボロボロにされたら、コイツも反省しただろうし。俺の顔、立ててくんねぇ?」
「……カナミ」
マリさんがどうするのか、カナミさんに窺うように名前を呼んだ。
ここまでくれば、もう悪魔の勝ちだ。
「……わかりました。あの……」
「心配すんな。別に何かやり返そうなんて思ってねぇよ。ただ、もうコイツには手出すな。な? 俺からのお願い」