ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
トラの言葉で事態は収束を迎えると、あたしを置いて全員公園から慌ただしく姿を消した。
あたしを見ないようにして公園から出て行く紗理奈たちを見て、あたしは今までこんな奴らに縋り付いていたのかと、笑いそうになった。
トラがあたしから離れて水飲み場で肩にかかっていた黒いタオルを濡らしていた。
いつまでも寝転がっている姿を晒しているわけにいかなくて、ズキズキ痛む全身に鞭を打って上半身だけ起こした。
力の入らない手で顔や髪についた砂を落とす。
サラサラと落ちてくる砂は、あたしのスカートに降り積もった。
「ひっでーな。ほら、これで顔拭けよ。あ、今日体育で使ったから汗くせーかも」
本当なのか冗談なのかよくわからないことを言いながら、あたしの顔を水で濡らしたタオルで優しく拭き始めた。
あたしを見ないようにして公園から出て行く紗理奈たちを見て、あたしは今までこんな奴らに縋り付いていたのかと、笑いそうになった。
トラがあたしから離れて水飲み場で肩にかかっていた黒いタオルを濡らしていた。
いつまでも寝転がっている姿を晒しているわけにいかなくて、ズキズキ痛む全身に鞭を打って上半身だけ起こした。
力の入らない手で顔や髪についた砂を落とす。
サラサラと落ちてくる砂は、あたしのスカートに降り積もった。
「ひっでーな。ほら、これで顔拭けよ。あ、今日体育で使ったから汗くせーかも」
本当なのか冗談なのかよくわからないことを言いながら、あたしの顔を水で濡らしたタオルで優しく拭き始めた。