ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
いつだったかママが腰痛で悩まされたときにもらっていた、余りの湿布を家中からかき集めて、貼れるだけ貼った。

おかげであたしとこの部屋は湿布特有のにおいに満ちていて、鼻がスースーしている。

せめて月曜日までには腫れだけでもひいてほしい。

月曜日のことを考えただけで、元々沈んでいた気持ちが更に深く落ち込み、もう浮上することはないんじゃないかとすら思った。

ほんとに、女って面倒くさい。

あたしも男に生まれて、朝陽や海里たちと遊びたかった。

なんであたしは女の子なんだろう。

長い時間部屋に閉じこもっていたおかげで、そんなどうしようもないことを考えてしまう。

「美夜子ー? 起きてる? ちょっと下に来なさい」

痛みに耐えながら寝返りをうったとき、ドアを隔てたすぐ近くからママの声が聞こえて、予想していなかったことに思わず身体が驚きで跳ねた。
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