ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
リビングに来てもママの姿はどこにもなく、店先に繋がる扉に耳を当てると、微かにママと誰かが話している声が聞こえた。
まだ日が落ち始めて準備中だと言うのに、誰が来たのだろうか。
こんな姿でドアを開けて、ママを呼ぶわけにも行かず、大人しくそこでママが戻ってくるのを待っていた。
カランカラン、と店のドアが開き閉まる音が聞こえて、それからすぐにママはあたしの目の前のドアを開けて戻ってきた。
「うっわぁ、ドブス」
開口一番にそう言ったママは、「アンタ鏡見たの? こっちにおいで。蒸しタオル作ってあげるから」と、ダイニングに呼び込んだ。
言われるがままにママの後ろをヨタヨタ歩いてついていくあたしは、さながら親を追いかける健気なアヒルの子だ。
まだ日が落ち始めて準備中だと言うのに、誰が来たのだろうか。
こんな姿でドアを開けて、ママを呼ぶわけにも行かず、大人しくそこでママが戻ってくるのを待っていた。
カランカラン、と店のドアが開き閉まる音が聞こえて、それからすぐにママはあたしの目の前のドアを開けて戻ってきた。
「うっわぁ、ドブス」
開口一番にそう言ったママは、「アンタ鏡見たの? こっちにおいで。蒸しタオル作ってあげるから」と、ダイニングに呼び込んだ。
言われるがままにママの後ろをヨタヨタ歩いてついていくあたしは、さながら親を追いかける健気なアヒルの子だ。