ファミリア・ストレンジャー㊤【完】
「えっ、ちょ、待ってよ、ママ!」
「いいからいいから。待ってくれてるんだから、はやく行きなさい」
後ろからあたしの背中をグイグイ押すママのせいで、足が勝手に前に出てその振動で身体が悲鳴をあげる。
あっという間に玄関まで追いやられてしまったあたしは、ママの手によって開けられたドアの向こうにいた人物に、目を見開いた。
予想はしてた。だけど、どうして?
「虎士郎くん、ごめんねぇ。この子、やっと起きたみたいで〜」
「いやいや、大丈夫ですよ。じゃあ、小夜子さん。みゃーこ借りてもいいですか?」
「全然いいわよ〜。むしろ今日は帰ってこなくても全然構わないから〜」
あたしのママのことを小夜子さんと呼び、随分親しい間柄のようににこにこ笑みを浮かべて会話する二人は、あたしの存在なんて完全無視で話をどんどん進めて行った。
「いいからいいから。待ってくれてるんだから、はやく行きなさい」
後ろからあたしの背中をグイグイ押すママのせいで、足が勝手に前に出てその振動で身体が悲鳴をあげる。
あっという間に玄関まで追いやられてしまったあたしは、ママの手によって開けられたドアの向こうにいた人物に、目を見開いた。
予想はしてた。だけど、どうして?
「虎士郎くん、ごめんねぇ。この子、やっと起きたみたいで〜」
「いやいや、大丈夫ですよ。じゃあ、小夜子さん。みゃーこ借りてもいいですか?」
「全然いいわよ〜。むしろ今日は帰ってこなくても全然構わないから〜」
あたしのママのことを小夜子さんと呼び、随分親しい間柄のようににこにこ笑みを浮かべて会話する二人は、あたしの存在なんて完全無視で話をどんどん進めて行った。